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法輪寺の十三まいりEC

京都で受け継がれる伝統行事、法輪寺の十三まいり

春の嵐山では、美しく着飾った十三まいりの子供によく出会います。虚空蔵菩薩から授かった知恵を返さないように、橋を渡る子供の表情は真剣そのもの。昔から変わらない春の風物詩です。

いにしえの成人式、十三まいり

旧暦3月13日(現在では4月13日)に数え年13歳の男女が、正装して虚空蔵菩薩に参詣する十三まいり。厄難を払い、知恵や福徳を授かるもので、古くは成人の儀礼として行われていました。京都では今もこの風習が大切に守られ、受け継がれています。

法輪寺の十三まいり1
法輪寺では、4月13日を中日とする前後1カ月を春の十三まいり、10月・11月を秋の十三まいりとしている。
法輪寺の十三まいり2
写経を奉納するのが最も丁重な参拝方法であることに基づき、十三まいりでは、漢字一文字を一字写経として奉納する。
嵯峨の虚空蔵さんとして親しまれる法輪寺

嵯峨の虚空蔵さんと呼ばれる虚空蔵法輪寺は、和銅6年(713)に行基が木上山葛井寺を創建したのが始まり。貞観16年(829)に寺号が法輪寺と改められ、その後は応仁の乱や幕末の動乱で伽藍が失われましたが、そのたびに再建され現在に至っています。

法輪寺の十三まいり3
法輪寺本堂に安置される虚空蔵菩薩は、虚空のように広大無辺の福徳、知恵を蔵すという。丑・寅年の守り本尊であることから、本堂前には牛と虎の石像が安置されている。
法輪寺の十三まいり4
虚空蔵菩薩を本地仏とする電電明神を祀った明星社は幕末に焼失したが、電気電波業界の発展を祈願し、昭和31年に電電宮として新たに奉祀され、昭和44年に社殿が再建された。
法輪寺の十三まいり5
境内北側の舞台からは渡月橋が一望できる。東山方面まで見渡すことができ、四季を通じて美しい風景が楽しめる。
渡月橋を渡るまで後ろを振り返ってはいけない

十三まいりは、大人の入り口に立つ通過点。「渡月橋を渡り終えるまでに振り返ると、授かった知恵を返してしまう」という古くからの言い伝えは、大人として約束事を守る大切さを説いていると言われています。約束を守るために緊張の面持ちで橋を渡る姿はほほえましいものです。

法輪寺の十三まいり6
渡月橋の奥に見えるのが法輪寺。渡月橋は法輪寺に参拝するために架けられたと言われ、平安時代には法輪寺橋と呼ばれていた。
法輪寺の十三まいり7
「渡り終わるまで後ろ向いたらあかんえ」と親に言い聞かされ、ドキドキしながら子供が橋を渡る姿は、今も昔も変わらない。
法輪寺の十三まいり8
「渡り終えるまで」という橋は渡月橋ではなく、法輪寺の表参道入り口にある石橋だという説もある。

基本情報

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。