見どころ

初公開!豪商が粋を凝らした建築美が魅力の「和中庵」

2016-08-09

通常は非公開の文化財が特別に公開される、「京都夏の旅」が開催されています。2016年のテーマは「学校に残る文化財」と「お屋敷・庭園の美」。初の一般公開となる、ノートルダム女学院中学高等学校の和中庵を紹介します。

私邸から修道院になった和中庵

今年で41回目を迎える京都夏の旅では、7つの場所で文化財の公開が行われています。8月より公開の始まったノートルダム女学院中学高等学校の和中庵は、昭和初期に近江商人・藤井彦四郎の邸宅として建てられたもの。その後、教育活動のために来日し、拠点を探していたノートルダム教育修道女会が譲り受け修道院となりました。2008年に修道院としての役割を終え、大規模な改修工事を経て、ノートルダム女学院中学高等学校の教育施設として活用されるようになったのです。

 

和中庵 - ユージニア館
坂道を上っていくと、案内板と大きな十字架のユージニア館が見えてくる。

 

 

和中庵 - 礼拝堂
ユージニア館1Fには礼拝堂があり、立ち寄ることができる。

 

 

レトロモダンな風格ある洋館

和中庵は哲学の道沿いから山側へと上った、鹿ケ谷の山裾にあります。外壁に大きな十字架がかかげられたユージニア館前で受付を済ませ、まずは洋館へ。蔵として使われていた建物を見ながら進むと、淡いクリーム色の壁とアーチ型の窓が印象的な洋館が見えてきます。スパニッシュ基調の建物で、1階には二つの洋間があり、2階には礼拝堂として使われていたホールがあります。大理石の階段や寄木細工の床、こまやかな細工が施された漆喰の天井は見物です。

 

和中庵 - 洋館外観
ユージニア館左手にある洋館。 1階と2階でそれぞれガイドの方による案内が行われている。

 

 

和中庵 - 洋館1階
修道院として使われる際に改修された場所も多かったが、洋館1階の洋間は藤井彦四郎が使っていた頃の面影を残している。寄木細工の床や団炉跡が見られる。

 

 

和中庵 - 洋館2階
洋館2階のホールは、かつて和中庵にエドヒガン桜の大木があったことから、「桜ホール」と呼ばれている。

 

 

和中庵 - 洋館前庭
桜ホールから見下ろした洋館の前庭。シスターたちは来日の際2、3年分の食料や物資を持参し、前庭右手の蔵にそれらを収めていたと言われている。

 

 

庭園を見下ろす奥座敷「客殿」

洋館と奥座敷の客殿は、渡り廊下で繋がっています。山裾を切り開いて建てられた和中庵の敷地は傾斜があり、客殿は敷地の中でも最も高い位置に。二方向に広い縁側を持つ開放的な空間で、敷地内を流れる桜谷川を見下ろし、四季折々の素晴らしい景色を楽しむことができるのです。また鞍馬石と貴船石の大きな沓脱石や、鳥が描かれた床天井など、随所に豪商のこだわりが見られます。

和と洋のそれぞれの美しさが感じられる和中庵は、2016年8月23日(火)までの公開です。

 

和中庵 - 渡り廊下
渡り廊下は、中央部分が両端よりも高くなった船底天井になっている。客殿側からは、重厚感のある洋館の造りを見ることができる。

 

 

和中庵 - 客殿
シスターたちの住居として使われ板間になっていた客殿は、改修工事で畳の部屋へと戻された。

 

 

和中庵 - 角部屋
客殿の洋館側には、崖に張り出すようになった板間の部屋がある。

 

 

和中庵 - 庭園
縁側からの眺め。庭園の先には校舎が見られる。

 

ノートルダム女学院中学高等学校 和中庵
店名 ノートルダム女学院中学高等学校 和中庵
住所 京都市左京区鹿ケ谷桜谷町110
電話番号 075-771-0570(ノートルダム女学院中学高等学校)、
075-213-1717(京都市観光協会)
URL https://www.kyokanko.or.jp/natsu2016/natsutabi16_01.html

この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。