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貴船祭 EC

貴船神社最大の祭典!「貴船祭」

左京区にある貴船は、京都の奥座敷として知られる場所です。夏の川床や秋の紅葉などが人気で、貴船川沿いには多くの旅館や料亭が建ち並びます。その貴船川の上流にあるのが貴船神社。6月1日に行われた、例祭・貴船祭の様子を紹介します。

水の神様を祀る貴船神社

貴船へは、出町柳駅から叡山電鉄で向かいます。30分ほどで貴船口駅に到着すると、先ほどまでの喧騒が嘘のような静かな自然の中に。貴船神社はここからさらに2㎞ほど北にあり、バスでアクセスできます。途中の貴船川では、川床を楽しむ人々の姿が見られました。

貴船神社は、全国各地に点在する貴船神社の総本宮。創建は1300年以上前で、水を司る神・高龗神(たかおかみのかみ)を祀っています。古くから「氣生根」とも表され、氣力の生じる根源のパワースポットとしてや、縁結びの神としても信仰を集めています。

貴船祭 - 川床
貴船の川床は足をつけられるほど水面が近く、夏は涼を求め多くの人が訪れる。
貴船祭 - 参道
本宮へと続く石段の参道。夕暮れ時には、灯籠の灯りに照らされた幻想的な風景が見られることも。
貴船の初夏の風物詩「貴船祭」

毎年6月1日に開催されるのが、貴船神社最大の祭典である「貴船祭」です。午前11時から、本宮で神事が執り行われ、樂辰會の楽人たちによる舞楽が奉納されます。午後1時になると、同じく本宮で御神輿発輿祭が。巡幸に先立ち、御神輿に貴船大神の御分霊を奉安して道中の安全を祈願します。

発輿祭が終わると、いよいよ御神輿が本宮を出発します。金色の煌びやかな御神輿は、参道を下り町内を巡幸後、貴船川上流の摂社を通り奥宮へ。威勢のいい掛け声とお囃子が、辺りに響き渡っていました。

貴船祭 - 発輿祭
本宮で行われた発輿祭。境内には、二葉葵の神紋が描かれた半纏に身を包んだ担ぎ手が集まっていた。
貴船祭 - 神輿1
御神輿は数十人の担ぎ手によって、勢いよく参道を駆け下りる。
貴船祭 - 神輿2
多くの人が見守る中、町内を巡幸する御神輿。
健やかな成長を祈る「子供千度詣」

御神輿は1時間ほどかけて奥宮へ。拝殿に奉安され、奥宮例祭が斎行されます。祝詞奏上や代表者の拝礼の後、続いて行われるのが「子供千度詣」です。「おせんどんどん」という声を掛け合って神石の御船形石をぐるりと回りながら、忌み串という木の棒を御船形石のくぼみに置き、健やかに成長するように祈ります。子供千度詣には、大人も多く参加していました。

貴船祭 - 神輿奉安
拝殿に奉安された御神輿。御神輿御旅所祭も執り行われた。
貴船祭 - 千度詣
千度詣の御船形石は、玉依姫がこの地に来る際に乗っていた黄船を、人目につかないように石で覆ったものと伝えられている。
迫力ある出雲神楽を楽しむ

奥宮の境内では、出雲神楽の奉納も行われます。出雲神楽は、島根県雲南市の貴船神社と、安来市の貴布禰神社の方々によるもの。総本宮の祭典を盛り上げるために、毎年奉納されているそうです。演じられたのは、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治するお話。二匹の大蛇が火を吹きながら登場し、スサノオノミコトと戦う場面は圧巻でした。

出雲神楽が終わると、御神輿は再び本宮へ。最後に還御祭が行われ、今年も無事に貴船祭は締めくくられました。

貴船祭 - 出雲神楽1
娘をヤマタノオロチに食べられてしまうと泣いていた老夫婦に頼まれ、スサノオノミコトは娘との結婚を条件に退治を引き受ける。写真は退治のために酒を用意する場面。
貴船祭 - 出雲神楽2
酒を飲み干し酔ったヤマタノオロチを、いよいよスサノオノミコトが退治する。

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この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。