見どころ

五穀豊穣を祈願する、伏見稲荷大社の「田植祭」

2017-06-06

5月、6月は田植えの季節。水田に早苗が並ぶ、初夏らしい風景を目にすることがあるかもしれません。そんな頃、人気観光スポットの一つである伏見稲荷大社では、「田植祭」が行われます。昨年の祭の様子を交えながら、神田に苗を植える田植祭を紹介します。

五穀豊穣の信仰を集める伏見稲荷大社

伏見区にある伏見稲荷大社は、全国の稲荷大社の総本山。千本鳥居やお山めぐりなどで人気を集め、年間を通して国内外から多くの観光客が訪れます。

伏見稲荷大社は、五穀豊穣や商売繁盛の神様として古くから信仰を集めてきました。毎年6月10日に行われる田植祭は、ご神前に日々お供えするご料米の稲苗を神田に植え、五穀豊穣を祈願するお祭り。神事が行われる本殿は、豊臣秀吉が造営したとされる大きな楼門を通った先にあり、本殿前では稲穂を加えた白狐が迎えてくれます。

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 本殿
田植祭の当日、本殿では13時から神事が行われる。

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 白狐
本殿前の稲穂を加えた白狐。白狐は稲荷大神の使いで、境内では他にも鍵や巻物、玉などを加えた白狐が見られる。

 

 

 早乙女による昔ながらの田植え

本殿で神事を終えると、参列者は境内北側にある神田へと向かいます。神田は広さ330平方メートル程あり、その先には舞台が。神田のお祓いが行われた後、早苗が早乙女に配られます。早乙女とは、茜襷を身に纏い大きな菅笠を被った田に稲を植える人々のことで、早乙女は神田の中央から外側に次々と稲を植えていきます。今では中々目にする機会のない、人の手による田植えが見ることができるのです。

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 早苗
御幣櫃(ごへいびつ)と呼ばれる籠から、早苗や神田を清めるための斎串などが取り出される。

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 早乙女1
田は紐で区切られ、早乙女はその中にまっすぐ早苗を植えていく。

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 早乙女2
あっという間に神田の端の方まで早苗が植えらた。

 

 

神楽女による「御田舞」の奉納

早乙女による田植えが始まると、舞台では「御田舞」が奉納されます。平安時代の汗衫装束を身につけた4名の神楽女が、「お田舞歌」に合わせて優雅な舞を奉納するのです。御田舞が終わる頃には、神田に早苗が並びます。

田植祭で植えられた稲は、10月の抜穂祭で収穫され、11月の新嘗祭で稲荷大神に供えられます。神田で収穫される米は約150キロ(二俵半)にもなるのだとか。田植祭は、6月10日の13時から行われます。昔ながらの田植えと優美な舞を見に、伏見稲荷大社を訪れてみませんか?

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 御田舞1
田植えが始まってしばらくすると、御田舞の奉納が始まる。

 

伏見稲荷大社 - 田植祭 御田舞2
御田舞が奉納される中、田植えはどんどんと進んでいく。御田舞が終わると田植えは一時中断するが、神楽女や宮司らが本殿へ戻った後に再び田植えが始まる。
伏見稲荷大社
寺社名 伏見稲荷大社
住所 京都市伏見区深草薮之内町68
電話番号 075-641-7331
URL http://inari.jp/

この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。