見どころ

夏の宵に風鈴の音が響く風まつり

2017-07-13

黄昏時のお堂に、風に乗って響き渡る風鈴の音。千本ゑんま堂では、夏の宵を心静かに楽しむ風まつりが行われています。風と音、香りが織りなす幻想的な雰囲気に包まれてみませんか。

風に揺れる風鈴の音を楽しむ

風が吹き抜ける度に涼やかな音色を響かせる、お堂のあちこちに吊るされた風鈴。澄んだ音に耳を傾ければ、心が穏やかに静まってきます。風まつりの受付を済ませ、堂内の床几に座って耳を澄ませてみましょう。何かと気忙しい日常を離れた、穏やかな時の流れの中で雅な夕涼みが楽しめます。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 風鈴1
お堂の中にも外にも、さまざまな風鈴がつられている。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 風鈴2
風鐸や銅鐸にルーツを持つという風鈴は、邪気から屋敷を守る魔除けの法具だそう。千本ゑんま堂では、使わなくなった風鈴の供養も行っている。

 

 

王朝人の恋愛成就法・梶の葉祈願

いにしえの貴人たちは、七夕の夜に梶の葉に恋歌をしたため、たらいに浮かべて恋愛成就を祈願しました。風まつりでは、この古式ゆかしい七夕行事を取り入れ、梶の葉祈願を行っています。梶の葉に願いをしたため、閻魔様の前で祈願しましょう。気分はすっかり王朝人です。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 梶の葉1
祈願に用いる梶の葉。願い事と氏名、年齢を書き、焼香の煙に当てて祈願する。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 梶の葉2
梶の葉は本堂入り口に張られた麻縄に差し込んで吊す。一晩経てば葉が乾いてくるくると巻き、願い事を人に見られることがない。

 

 

閻魔法王と小野篁

梶の葉祈願は本堂の内陣で行われ、高さ、幅とも2.4メートルの大きな閻魔法王像を間近に見ることができます。閻魔法王は、あの世とこの世、地獄と極楽の間で死者を裁く、いわば裁判官。鋭い目で見据えられると、思わず居住まいを正さずにいられません。閻魔法王の手足となって働いたという小野篁にも参拝し、祈願の成就を祈ります。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 閻魔法王
風まつりの期間は、午後7時に本尊の閻魔法王を開扉。これは、小野篁が日中の宮中の勤めを終え、夜7時に閻魔法王の元へ参上したことにちなむ。この期間だけ閻魔法王像がライトアップされる。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 小野篁の像
千本ゑんま堂の開基である小野篁の像は、風に乗ってあの世とこの世を行き来したという伝説を思わせる、珍しい立像。ふわりと持ち上がった袖は、篁の神通力を表しているそうだ。

 

 

風に乗って薫香の漂うお香の会

祈願の後、茶室で開かれるお香の会。作法を教わりながら、香りを聞き、記憶を頼りにどのお香かを当てる聞香を楽しみます。かすかな香りを当てるのは難しいですが、香りに集中していると心が穏やかになってくるのが不思議。風まつりが終わると、外は夜の闇に包まれています。情緒あふれる風まつりで夏の宵を楽しみましょう。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 聞香
聞香では、お香は「嗅ぐ」のではなく「聞く」。最後にすべての香木を焚き合わせ、室内に漂う香りを楽しむ。

 

風まつり(千本ゑんま堂)- 提灯
夜の闇に提灯の明かりが浮かび上がる。あの世とこの世のあわいを思わせる、幻想的な雰囲気だ。

 

 

夏の夜間特別拝観 風まつり(千本ゑんま堂)
開催期間 2017年7月1日~15日
時間 18:30受付開始
18:45~
参加料 一般1000円、中学生以下600円
7月15日にはオカリナ演奏の奉納あり
千本ゑんま堂
寺社名 千本ゑんま堂
住所 京都市上京区千本通寺之内上ル閻魔前町34
電話番号 075-462-3332
URL http://yenmado.blogspot.jp/

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。