見どころ

春を迎える京都御苑で歴史めぐり

2016-03-16

約5万本の樹木が茂る京都御苑は、色とりどりの花や、歴史的な見所もたくさん。花の香に包まれながら、歴史に思いをはせてみませんか。

市民の憩いの場として親しまれる京都御苑

御所と呼び親しまれている京都御苑が現在の姿に整備されたのは、明治以降のことです。一帯は江戸期までは公家屋敷が建ち並んでいました。東京遷都に伴って公家も移住し、御所周辺は一時荒廃しましたが、大内保存事業により皇室苑地として整備されたのが京都御苑の始まりです。

 

京都御苑1
砂利の苑路に築地塀、芝生と樹林で構成される京都御苑。春は梅林、桃林をはじめ、随所に桜などの花々が咲き誇り、まさに百花繚乱の美しさ。

 

 

京都御苑2
広い苑路に見られる細い一本道。自転車が通るうちに砂利がはがれてできた踏み分け道だ。

 

 

京都御苑に残る公家町の面影

京都御苑一帯は、江戸時代には約200軒もの宮家や公家の邸宅が建ち並んでいたといいます。現在も閑院宮邸跡や九條邸跡で、貴重な遺構を見学できます。近衞邸跡の糸桜は、江戸時代から有名でした。広大な苑地に点在する石碑を頼りに、公家町の規模を足で確かめてみましょう。

 

京都御苑3
閑院宮家の邸宅には京都御苑の自然や歴史を紹介する収納展示室が設けられ、庭園とともに見学できる。

 

 

京都御苑4
九條家邸宅の貴重な遺構、茶室の拾翠亭。江戸後期の築とされ、寝殿造りの面影を残した書院風数寄屋造りの建物と、九條池を中心にした庭園が貴族の生活を今に伝えている。

 

 

京都御苑5
首相を二度務めた政治家であり、私塾立命館を設立したことで知られる西園寺公望を輩出した西園寺家の邸宅跡がある。西園寺家の鎮守社で、弁財天を祀る妙音堂は、現在は白雲神社として残っている。

 

 

京都御苑に残る幕末の動乱の爪痕

幕末から明治維新にかけて、御苑一帯はさまざまな動乱の舞台となりました。中でも有名なのは、歴史にその名を残す蛤御門。八月十八日の政変の舞台となった堺町御門や、暗殺事件が起こった猿ヶ辻、禁門の変に端を発したどんどん焼けの火元になったとされる鷹司邸跡など、歴史スポットが盛りだくさんです。

 

京都御苑6
元治元年(1864)、長州藩と会津・薩摩藩などが激しく争う禁門の変(蛤御門の変)が勃発。蛤御門には、この時の弾傷らしき跡が残っている。

 

 

京都御苑7
文久3年(1863)に尊皇攘夷派の急先鋒であった姉小路公知が暗殺された猿ヶ辻。御所の東北部分に当たる猿ヶ辻は鬼門のために角が切り込まれ、御幣を持った木彫りの猿が鬼門除けとして置かれている。

 

 

京都御苑8
文久3年に堺町御門周辺で起こった八月十八日の政変は、七卿落ちとも呼ばれる。堺町御門は、葵祭と時代祭の行列が通る門としても知られる。

 

 

京都御苑
住所 京都市上京区京都御苑3
電話 075-211-6348(環境省京都御苑管理事務所)
URL http://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/
閑院宮邸跡
展示室
入館時間 9:00~16:00
休館日 月曜(祝日の場合は開館)
入館料 無料
庭園
開園時間 9:00~16:30
休園日 年末年始
入園料 無料
拾翠亭
参観時間 9:00~15:30
定休日 1・2月、3月~12月の日曜日から木曜日
参観料 高校生以上100円

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。