久世郡久御山町は、京都市の南側、宇治市と八幡市に挟まれたエリアにある町。この久御山町にある浄安寺は、椿の寺として知られています。本堂で椿展が開催されている浄安寺に訪れてみました。
久御山町の椿寺・浄安寺
椿寺として知られる浄安寺は、平安時代の天喜元年(1053)に、仁海(にんがい)僧正によって創建された浄福寺が前身です。浄福寺は天治元年(1124)に椏本八幡宮(あてもとはちまんぐう、雙栗〈さぐり〉神社の別名)の神宮寺となり、元弘元年(1331)には勅願寺になったそう。天正元年(1573)に、平等院の玄誉上人が中興。正親親王により、浄安寺の寺号と勅額を賜ったと伝わっています。
約230種の椿が花開く境内を歩く
浄安寺の本堂には、快慶の作と伝わる阿弥陀如来像が安置されています。観音堂に安置されている聖観音菩薩像は、欅(けやき)の一木造りで、平安時代後期の作だそう。雙栗神社の神宮寺であった頃の仏像だと推定されています。境内には、江戸後期から伝わる固有種の浄安寺椿をはじめ、約230種の椿が花を咲かせます。冬から春にかけて次々に花が咲く椿を愛でながら、境内を巡ってみましょう。
本堂で椿展を開催
浄安寺では、例年2月中旬から4月中旬にかけて、本堂内で椿展を開催。全国各地から集めた一輪挿しが並べられ、開花順に椿の花が生けられます。それぞれ副木を添えて生けられた椿は、花弁が一重のものや八重のもの、色も赤や白、ピンクなど、多種多様で一つとして同じものはありません。3月のお彼岸頃が一番見ごろで、多くの椿が鑑賞できるそうです。