京都府の北部、丹後半島の峰山町に、狛犬ならぬ狛猫のいる神社があると話題になっています。日本中を探しても例がないといわれる、珍しい狛猫です。
丹後峰山のこんぴらさん
丹後半島の峰山町に鎮座する金刀比羅神社の創建は、文化8年(1811)。峯山藩主の京極家は代々、讃岐の金毘羅権現を深く信仰していました。8代藩主の高備(たかまさ)は、同族のよしみで丸亀、多度津の京極家の協力を得て、金毘羅宮を勧請し、現在地に社殿を建立。以来、金刀比羅神社は歴代藩主や町内外の人々から篤く信仰されてきました。
山裾に広がる境内
約6000坪に及ぶ広い境内が山裾に広がる金刀比羅神社。明治44年の御鎮座百年祭に際して石段120段が整えられ、一帯では類を見ない、壮麗な社殿となったそうです。ところが、昭和2年に丹後地方を襲ったM7の大地震により、社殿がことごとく倒壊しました。現在の社殿は、全て昭和以降の再建です。
日本唯一とされる狛猫
峰山の金刀比羅神社を有名にしているのが、日本で唯一と言われる狛猫です。峰山町は、丹後ちりめん発祥の地。ちりめん織の業者らが、養蚕の神様として、山城国の木嶋神社を金刀比羅神社内に勧請しました。この時、養蚕の敵はネズミ、そのネズミを取るのが猫であることから、狛犬ではなく、狛猫を祀ったそうです。
境内には猫アイテムがいっぱい
金刀比羅神社では、狛猫の絵馬や御守りなど、狛猫にまつわる授与品をいただくことができます。また、摂社の木島神社へ至る階段には、石で作られた猫たちが並んでお出迎え。境内のあちこちで、個性豊かに絵付けされた陶器の猫に出会えます。猫と丹後ちりめんをテーマにした「こまねこまつり」も行われるなど、猫好き必見の神社です。