がんは、治る病気になってきたとはいえ、やはり私たちがおそれる病気です。がんの予防をしたい方も、克服したい方も、家族のため祈るような思いの方も、大いなる力を信じてみませんか。
「がん封じのお薬師如来」因幡堂
平安時代から京都の町中にあり、老若男女あらゆる病気の方の最後の拠り所とされていた因幡堂(平等寺)。特に「がん封じのお薬師如来」として信仰されています。がんが不治の病と思われていた時代、最後に因幡薬師にすがる方が多かったためといわれています。
何度か火災の被害にあいながらも、町衆をはじめ多くの人々の力で復興をとげてきた因幡堂。創建当時から伝わる本尊・薬師如来立像は「因幡薬師」として大切に守られてきました(通常は非公開)。信州善光寺の阿弥陀如来、嵯峨清涼寺の釈迦如来とともに「日本三如来」と呼ばれています。
「蛸薬師通」の由来は、蛸薬師如来の参道
永福寺の善光という僧の母が重病になり「タコを食べたい」というので、善光はタコを買って箱に入れて帰ります。これを見とがめられて箱を開けるように言われた際、一心に薬師如来に祈ると、タコは八軸の法華経に変わっていました。八軸がふたたびタコの姿になって光を放つと、母の病は回復。それ以来、永福寺は「蛸薬師堂」と呼ばれています。
「烏丸の天神さん」で、「願い石」をなでて祈願
御所の西側、蛤御門の向かいにある菅原院天満宮の末社、梅丸大明神。がん封じなどの病除けのご神徳があるといいます。お参りのあと両手で「願い石」をなでてから、体の具合のわるい部分をなでましょう。代理人が参拝する時は、ガーゼハンカチ(500円)で願い石をなでて持ち帰り、そのガーゼハンカチで本人の患部をなでます。
悪病も、不幸や災いも吸い取る「癌封治瘤の木」
多くの人が、お参りのあと「癌封治瘤(こぶ)の木」をなでるという薭田野(ひえだの)神社。がんにかかったカシの木のこぶを一心になでると、がんなどの悪い病気を封じてくれるといいます。境内には、願いを達成する気力を授かるという「石の環」や、最後までやりきる気力を授かるという「必勝願掛け石」もあります。