京都で2月23日と言えば、五大力さんの日。醍醐寺の五大力さんが有名ですが、聖護院の塔頭である積善院凖提堂でも法要が行われます。盗難除けのお札を求めて多くの人が訪れる、凖提堂の五大力さんを紹介します。
聖護院の山内塔頭
積善院凖提堂は、元は積善院と凖提堂の、別のお寺でした。積善院は、聖護院の院家として鎌倉初期に開創。聖護院が地方の山伏に対して行う事務を代行してきたお寺で、聖護院派山伏の筆頭寺院にあたります。明治初頭に、熊野神社近くにあった凖提堂と合併し、現在地には大正3年に移転しました。本堂には、積善院の本尊であった不動明王像と、準提堂の本尊であった準提観音像が安置されています。2月23日には本堂で、秘仏の五大力菩薩の御開帳と法要が行われます。
盗難避け・災難除けの仏様
五大力さんこと五大力菩薩とは、凖提堂の本尊である凖提観音菩薩の随身である、金剛吼菩薩(こんごうくぼさつ)、無畏十力吼菩薩(むいじゅうりきくぼさつ)、龍王吼菩薩(りゅうおうくぼさつ)、無量力吼菩薩(むりょうりきくぼさつ)、雷電吼菩薩(らいでんくぼさつ)のことだそう。憤怒相の5人の菩薩は、仁王(にんのう)経では国土守護の仏と説かれていて、そこから転じて家を守ってくれる、盗難避けや災難除けの仏様として信仰されるようになりました。積善院凖提堂の五大力尊法要当日には、大般若経の転読や、山伏による柱源護摩供が行われます。
盗難除けのお札をいただく
準提堂の五大力さんと呼び親しまれる五大力尊法要に訪れる参拝者のお目当ては、当日に授与される盗難除けの御札。五大力菩薩の御影とともに授与され、このお札を家の出入り口に貼ると、泥棒が入らないと言われています。また、この日は盗難除け、交通安全祈願のお守も授与されます。五大力菩薩の御札を求める人々が列をなし、普段は静かな積善院準提堂のこぢんまりした境内が、大変なにぎわいを見せます。