見どころ

伏見の名水と名酒を訪ねる 
Vol.1:水運のまち、歴史のまち、伏見

2016-05-19

伏見は、ミネラル豊かな伏流水に恵まれ、古くは「伏水」とも書かれていました。宇治川・桂川・木津川・淀川を結ぶ交通の要であり、歴史を動かした人々に愛された場所でもあります。

院政の舞台、そして秀吉・家康の城下町に

平安時代は貴族が狩猟や遊興を楽しみ、白河上皇が大規模な離宮(甲子園球場33個分にも及ぶ)を造って院政を始めた伏見。また豊臣秀吉は、政治・軍事の要衝の地であるとし、伏見の丘陵に城を築きました。宇治川の水を引き込み、外濠として築かれたのが濠川(ほりかわ)です。

 

宇治川派流の桜
宇治川派流や濠川沿いには遊歩道が整備され、桜・アジサイ・ユキヤナギなど折々の風情を楽しめる。

 

 

のちに伏見城の主となった徳川家康は、伏見城で征夷大将軍の宣下を受けます。三代将軍・家光によって廃城となるまでの約20年間、伏見は徳川氏の城下町として栄えました。

 

城下町の名残は、現在の桃山町などにある地名にもみられます。賤ヶ岳七本槍で知られる福島正則の屋敷があった「桃山福島太夫」、関ヶ原の戦いで西軍の総大将に擁立された毛利輝元・長門守秀就親子の屋敷があった「桃山毛利長門」など、枚挙にいとまがありません。

 

 

港町・宿場町として再生

京都二条と伏見を結ぶ高瀬川の開削や参勤交代により、伏見は再び活気を取り戻します。物資を運ぶ十石舟と幕府公認旅客船の三十石船が、伏見と大阪の間を往来。朝と夕に「船が出るぞー」の掛け声とともに三十石船が出港する情景は、落語「三十石」などに描かれています。

 

十石舟と桜
春から秋にかけて、酒蔵が並ぶ美しい水辺を観光船の十石舟が運航。休日は、寺田屋浜より三十石船が運航する日もある。

 

 

伏見城の面影を伝える御香宮神社

伏見城の遺構のひとつが、御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)の表門です。「黄門さま」として知られる水戸光圀の父、徳川頼房が伏見城の西大手門を拝領して寄進しました。神功皇后を主祭神とする御香宮神社は、安産と子育ての神として「ごこんさん」と呼ばれ愛されています。

 

御香宮 - 表門
切妻造りで豪壮な構えの表門は、伏見城西大手門の遺構で国の重要文化財。

 

 

御香宮 - 拝殿
江戸時代初期に建てられた拝殿。創建当時の極彩色の姿が復元された。

 

 

御香宮 - 伏見城の跡残石
伏見城の跡残石。

 

 

862年に境内から香りのよい水が湧いて病に効くと評判になり、清和天皇に「御香宮」の名を賜ったとされています。湧き水は「御香水」と呼ばれ、明治以降は涸れていたのを1982年に復元 。環境省の名水百選に選ばれました。

 

御香宮 - 御香水
水筒を手に参拝する人が絶えない。御香水の取水は朝7時から夜7時まで。

 

 

1868年の伏見鳥羽の戦では、御香宮が官軍(薩摩藩)の屯所となりましたが、幸いにも戦火を免れました。

 

御香宮の桜

 

御香宮 - お酒

 

 

十石舟
乗船場 長建寺より東、河川沿い乗船場
運航期間 平成28年は3月26日(土)~12月4日(日)。
4・5・10・11月は毎日運航。8月の運航は13・14・15・16日のみ。
運休日 毎週月曜日(祝日を除く、ただし4・5・10・11月は月曜日も運航)

 

 

三十石舟
乗船場 寺田屋浜乗船場
運航期間 4・5・10・11月の休日の一部(詳細はURLを参照)
料金 十石舟・三十石舟とも大人1,200円(中学生以上)、小人600円(小学生以下)、幼児300円(小学生未満)
※運航期間・運休日・料金は変更になる場合がある。
電話 NPO法人 伏見観光協会 075-623-1030
URL http://kyoto-fushimi-kanko.jp/ship/

 

 

寺社名 御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)
住所 京都市伏見区御香宮門前町174
電話 075-611-0559
URL http://www.kyoto.zaq.ne.jp/gokounomiya/
拝観時間 境内自由、石庭は9:00~16:00
拝観料 石庭200円