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東山 縁結びの寺社巡りEC

東山 縁結びの寺社巡り

いつもの観光名所から、少しだけ足をのばしてみませんか。祇園の女性たちも思いを託したといわれる小さな祠やお堂で、心静かに縁結びを祈願しましょう。

法然上人ゆかりの地で縁結び祈願 ~安養寺 吉水弁財天堂

円山公園を東山に向かって歩くと、長楽寺のさらに先に「吉水弁財天」があります。技芸、福徳、財宝などを授けてくださる弁財天(弁天さま)。縁結びや恋愛などにもご利益があるといわれ、親しまれています。

吉水弁財天
かつて安養寺の境内にあったが、明治初期の廃仏毀釈で、現在は安養寺の飛び地境内となっている。

「この恋の叶わぬ時は 円山の弁天様の 池のイモリのつがいを採って
真っ黒黒焼き、大和のほうらく……想うお方にふりかけしゃんせ。この恋叶います」
という唄が祇園に残っているそうです。

吉水の井
法然上人が水を汲んだという「吉水の井」。「閼伽(あか)の水」とは、仏に供える水のこと。法然上人は、よい水が湧くことから「吉水」と呼ばれるこの地に庵を結んで、お念仏を布教した。

法然上人が流罪となった後に安養寺を復興した慈円が、安養寺を守護するために弁財天を祀りました。弁財天は秘仏で、60年に一度だけ開帳されます。

安養寺
吉水弁財天堂から道なりに坂を上ると、安養寺の山門がある。安養寺の山号は慈円にちなんで慈円山。古くから「円山」とも呼ばれたため、明治19年に安養寺の旧境内も含めて公園が作られたとき、「円山公園」と名づけられた。
吉水から知恩院へ
吉水弁財天、安養寺から知恩院の大鐘楼へと続く小径は、観光シーズンでも静かで美しい。
広大な知恩院に 小さな恋の社 ~知恩院 濡髪大明神

国内最大級の三門や大鐘楼などで知られる知恩院。法然上人が終焉を迎えた勢至堂のさらに奥へと進み、急な石段を登ると墓地になり、徳川家から豊臣秀頼に嫁いだ千姫のお墓もあります。墓地の一番奥に祀られているのが、濡髪大明神です。

濡髪大明神への階段
法然上人像が見守る石段を登り、左手にある御廟の門をくぐると墓地に出る。

江戸時代のはじめ、御影堂建設のために住家を追われた白狐が、びっしょり濡れた童子の姿で霊巖(れいがん)上人の前に現れました。あわれに思った霊巖上人は、童子のねぐらを作り、知恩院を火災から守る「濡髪童子」として祀られたそうです。

濡髪大明神
童子の髪が濡れていたことから「濡髪大明神」と呼ばれる。「濡髪」という言葉が男女の情愛を連想させることから、縁結びの神様としても信仰されるようになった。
「祇園の縁結び」とも呼ばれる ~建仁寺両足院 毘沙門天堂

建仁寺塔頭の両足院は、庭園・文化財については通常非公開ですが、毘沙門天堂は開門時間内であれば自由に拝観できます。毘沙門天は七福神の一尊。戦いや勝負事をはじめ、商売繁盛、合格祈願、良縁成就、誓願成就など、さまざまなご利益があるとされています。

毘沙門天堂 門
戦前は、祇園の芸妓や舞妓が「いい旦那がみつかりますように」とお参りして、願いを成就させていたことから「祇園の縁結び」とも呼ばれ親しまれている。

両足院の毘沙門天は、織田信長による比叡山焼き討ちの際に、鞍馬寺毘沙門天の胎内仏を筑前黒田家ゆかりの家に疎開させたものです。黒田官兵衛の長男、長政が関ケ原へ出陣するときには、この像を内兜に収めて奮戦して勝利。明治時代になって、両足院に寄進されました。

毘沙門天堂
毘沙門天のお使いは虎。寅年生まれの守護神でもあり、狛犬ならぬ狛寅が見守る。

基本情報

この記事を書いた人

Miki
緑と海が好き、身体を動かすことが好き、食べることが大好き、食欲もりもり天然人。