見どころ

桜の隠れた名所「墨染寺(ぼくせんじ)」

2018-03-29

市内各地の桜が、春を待ちわびたかのように一斉に花を咲かせています。伏見区にある墨染寺は、「桜寺」と称されるお寺。こぢんまりとした境内は、2種類の桜に彩られていました。

 地名の由来にもなっている「墨染寺」

墨染寺は平安時代の874年に、第56代・清和天皇の勅願を受けた太政大臣・藤原良長が創建した「貞観寺(じょうかんじ)」に始まるのだとか。その後、安土桃山時代には豊臣秀吉が土地を寄進し、大僧都・日秀上人が日蓮宗・墨染桜寺(ぼくせんおうじ)として再興したと言われています。現在の場所へは江戸時代に移され、お寺のある墨染(すみぞめ)という地名の由来にもなっています。

墨染寺は、京阪電車の「墨染駅」から歩いて3分ほどのところにあります。疏水にかかる橋を渡ると、商店が並ぶ一角にある墨染寺が見えてきました。

 

墨染寺1
本堂には「桜寺」の扁額が見られ、本堂前には日蓮上人の像が立つ

 

墨染寺2
江戸時代に歌舞伎役者の2代目中村歌右衛門が寄進した、手洗鉢「墨染井」も見られる

 

 

 墨染色に咲く「墨染桜」

山門をくぐると、境内は桜の花に包まれていました。10本ほどの桜の木があり、華やかな染井吉野と少し儚げな「墨染桜」が見られます。この墨染桜にはある言い伝えが。平安時代の太政大臣・藤原基経が亡くなった際に、友人の歌人・上野岑雄(かみつけのみねお)が「深草の野辺の桜し 心あらば 今年ばかりは墨染に咲け」と詠みました。すると「桜の花に心があるのなら、今年ばかりは墨染に咲いてほしい」という思いが通じたのか、墨染色の花が咲いたのだとか。現在は4代目となる桜の木が、小さく薄墨色をした花を咲かせています。

3月31日(土)には桜まつりが行われ、地元の人々による演奏や踊りの披露などがあります。墨染寺の桜はちょうど見頃。伏見の「桜寺」を訪ねてみませんか?

 

墨染寺 - 桜1
山門からは、桜に彩られた境内が見えていた

 

墨染寺 - 桜2
本堂から見た境内。満開の時期でも時折地元の人が訪れるくらいで、ゆっくり桜が楽しめる

 

墨染寺 - 墨染桜1
4代目の墨染桜。2017年に3代目に植継ぎされ、今年初めての花を咲かせた

 

墨染寺 - 墨染桜2
墨染桜はまだ若木で、小さな花が数輪だけ見られる
墨染寺
寺社名 墨染寺
住所 京都市伏見区墨染町741
電話番号 075-642-2675
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この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。