伏見の五社寺をめぐり、開運を祈願する伏見五福めぐり。元日から15日までの松の内に行われ、多くの人々が色紙を携えお参りする人気の行事です。伏見をそぞろ歩いて福を呼び込みましょう。
勝運の乃木神社
明治天皇の御陵である伏見桃山陵のそばに佇む乃木神社は、明治期の陸軍大将・乃木希典(まれすけ)と静子夫人を祀る神社。乃木大将が日露戦争で武勲を上げた人物であることから、勝運の神様として信仰されています。境内には名水・勝水が湧き、乃木大将の復元邸宅や遺品を展示する宝物館などが建ち並ぶなど、見所が満載です。
霊水の湧く御香宮
神功皇后を祀り、安産守護で知られる御香宮神社。創建年は不明で、平安期に境内から香りの良い水が湧き出たことから、清和天皇より「御香宮」の名を賜りました。桃山期の建築様式の本殿は、重文に指定されています。拝殿とともに極彩色のきらびやかな彫刻が施され、つい時間を忘れて見入ってしまいそう。小堀遠州ゆかりの石庭など見所も多いので、時間に余裕を持ってお参りしたい神社です。
島の弁天さん・長建寺
豊臣秀吉の伏見城築城に際して開削された宇治川派流。酒蔵が建ち並ぶ人気の撮影スポットのそばに、朱塗りの竜宮門が目を引く長建寺があります。開運や商売繁昌、諸芸上達のご利益で知られ、かつて中書島にあった遊郭で働く女性たちの信仰を集めたそう。弁財天が御本尊の寺院は京都でここだけで、島の弁天さんと呼び親しまれています。
出世開運の大黒寺
空海開基と伝わる大黒寺は、もとは長福寺といい、豊臣秀吉をはじめ、武将たちから深く信仰されました。江戸初期に薩摩藩主からの命を受けた伏見奉行山口駿河守(するがのかみ)が、この寺を武運長久の祈願所に定め、大黒寺と改称。このことから、大黒寺は薩摩寺とも呼ばれたそうです。大黒天を祀り、出世開運や金運上昇のご利益で信仰を集めています。
勝運と馬の社・藤森神社
神功皇后が兵具を埋めて塚を作り、軍旗を立てて神まつりをしたのが始まりとされる藤森神社。勝運の神様として多くの信仰を集めています。5月5日の藤森祭で行われる駈馬神事にちなみ、駈馬(賭馬)や勝馬のお守りが授与されるなど、競馬の勝運を祈る神社としても知られています。伏見五福めぐりで開運や勝運の神仏に巡拝し、素晴らしい1年を過ごしましょう。