見どころ

豊かに実った稲を収穫する、伏見稲荷大社の「抜穂祭」

2017-10-25

実りの秋を迎え、田畑には黄金色に輝く稲が見られます。各地の稲刈りも終盤を迎える頃、伏見稲荷大社では稲刈り神事の「抜穂祭」が行われました。

 毎年10月25日に行われる「抜穂祭」

伏見稲荷大社は、全国約3万社ある稲荷神社の総本山。朱塗りの鳥居が連なる「千本鳥居」や、稲荷大神の降臨地である稲荷山を巡る「お山巡り」などが人気で、多くの参拝者が訪れています。

伏見稲荷大社に祀られている稲荷大神は農業の神様。そのため伏見稲荷大社では、稲の種をまく播種から収穫までの、農業に関わる様々な神事が行われています。その一つである「抜穂祭」は、五穀豊穣に感謝をして、収穫期を迎えた稲を刈り取る神事です。

 

伏見稲荷大社
JR稲荷駅の改札を出ると、すぐ正面に大きな鳥居が見える。

 

 

 稲荷山の麓に広がる神田へ

午前11時になると、本殿で神事が執り行われます。お祓いや祝詞の奏上に続き、神楽女による抜穂舞の奉納がありました。本殿での神事を終えると、神職をはじめ参列者たちは境内北側の神田へ。十石橋を渡り木々に覆われた参道を進むと、神田が見えてきました。

神田の奥にある舞台で、「抜穂の儀」が執り行われます。稲の穂は重みで垂れさがり、まさに収穫時を迎えていました。この稲は6月に行われた「田植祭」で植えられたもの。神田を祓い清めた後、早乙女らに鍬が渡され、いよいよ稲刈りが始まります。

 

伏見稲荷大社 - 本殿
神事が行われた本殿。現在の建物は1499年に再興されたもので、国の重要文化財に指定されている。

 

伏見稲荷大社 - 神田1
神田は広さ100坪ほどあり、約150キログラムの米が収穫される。

 

伏見稲荷大社 - 神田2
宮司は舞台から神田に降り、左右に向かってお祓いをしていた。

 

 

風流な舞が見られる「抜穂の儀」

菅笠を被った早乙女らが、鍬を手に神田へ入っていきます。始まりの合図とともに、手慣れた様子で次々と稲が刈り取られていきました。稲刈りが始まると、舞台では「抜穂舞」が奉納されます。神楽女が稲と鍬を手にし、まるで稲を刈り取るような仕草が印象的。舞の奉納が終わる頃には、たくさんの稲の束が積み上がっていました。

収穫した稲は神領米として、11月の新嘗祭をはじめとする様々な神事で用いられます。また稲藁は11月の火焚き祭で炊かれます。

抜穂の儀が終わると、神職らは本殿へ戻ります。揃って参拝をして、今年の抜穂祭は締めくくられました。

 

伏見稲荷大社 - 抜穂の儀1
男女20名ほどが、左右に分かれて一斉に稲刈りを始める。

 

伏見稲荷大社 - 抜穂の儀2
雅楽の音色が響き渡る中、神楽女は右手に鍬を左手に稲を持ち、時折屈み込んで稲を刈り取るような仕草を見せていた。

 

伏見稲荷大社 - 抜穂の儀3
刈られた稲の一部は舞台に上げられ、宮司による見知の後、箱に納められた。
伏見稲荷大社
寺社名 伏見稲荷大社
住所 京都市伏見区深草薮之内町68
電話番号 075-641-7331
URL http://inari.jp/

この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。