見どころ

初公開の「甘露庭」であじさいと蛍を愛でる

2015-06-05

祇園・花見小路を下った先に現れるのは、京都最古の禅寺・建仁寺。町なかにあるとは思えないほど広大な寺域を誇る。

方丈、法堂、三門を通り過ぎ、境内南端に至ったところでさらに東に折れてゆるやかな坂を上り、また少し南へ行くと現れるのが、塔頭の一つ、霊源院だ。

通常非公開のこの寺が、6月14日まで公開されている。

建仁寺

 

 甘茶が花咲く甘露庭

霊源院は応永年間(1394~1428)、龍山徳見和尚を勧請開山として創建された。

現在は小寺院であるが、鎌倉時代から室町時代にかけ、京都五山(鎌倉五山)の一つであった建仁寺の学問面の中核となり、五山派の学僧を多く輩出したという。幼いころの一休宗純もここで学んだとされる。

建仁寺2
門を入ってすぐ、あじさいに囲まれた福々しい笑顔に出迎えられる

 

今回の公開のメインは、枯山水庭園「甘露庭」。松の常緑、もみじの新緑、そこにあじさいがそっと彩りを添えている。

このあじさい、一見普通のガクアジサイに見えるが、ヤマアジサイの変種で、甘茶の材料になる「アマチャ」という品種だそうだ。

建仁寺の庭
木漏れ日の下にあじさいが点在する

 

甘茶といえばお釈迦様の誕生を祝う「灌仏会」にゆかりがあり、庭にはまだ花は咲いてないが沙羅双樹の木も植えられているという。つまりこの庭は、釈迦の生涯をあらわしているのである。

建仁寺の庭

 

お庭以外もじっくり楽しみたい

本堂内で最も目を引くのは、中巌円月(ちゅうがんえんげつ)坐像。五山文学で活躍した臨済宗の僧侶で、南北朝時代の作とされる。その横に小さくも凛々しく立つのが、鎌倉時代に作られた中巌円月坐像の胎内仏である毘沙門天立像。どちらも今年、京都国立博物館より70年ぶりに戻ったものだという。

また、茶祖・栄西が開山した建仁寺の塔頭にふさわしく、本堂内に茶室が2つもある。1つは本堂内ににじり口を持つ珍しい茶室「也足軒(やそくけん)」、もう1つは必要最小限のサイズに切り詰められた一畳台目の茶室「妙喜庵」である。

あじさい2

 

6月6日から8日までは夜間拝観も行なわれ、甘露庭のライトアップと蛍の放生会が予定されている。初夏の今、ぜひとも訪れておきたい。

 

公開期間:平成27年6月14日(日)まで 10:00開門~17:00閉門 拝観料:500円
夜間拝観:平成27年6月6日(土)~6月8日(月) 18:00開門~21:00閉門 拝観料:500円

 

名称:霊源院
住所:京都市東山区大和大路四条下ル小松町594
電話:-
URL:http://www.reigenin.jp/

 

(文:合)