苔を使ったユニークなアートが見られる、JR東海の「モシュ印・コケ寺リウム」キャンペーン。2018年9月1日(土)~11月30日(金)まで、5つの寺社で行われています。モシュ印とは、MOSS(苔)と御朱印をかけて、御朱印の文字を苔で描いたもの。ガラスの器の中に建造物のジオラマと苔で庭園を再現した、コケ寺リウムと共に楽しめます。市内の東側に位置する、東福寺と建仁寺、圓光寺を紹介します。
モダンな苔庭を持つ東福寺
東福寺は摂関の九條家(藤原家)の菩提寺として建立された、臨済宗東福寺派の大本山。方丈には東西南北に4つの庭があり、釈迦の生涯における八つの重要な段階の「八相成道」を配置していることから「八相の庭」と呼ばれています。
モシュ印とコケ寺リウムは、方丈東側に展示されていました。まるで筆で書いたような滑らかな字体のモシュ印と、「北庭」・「南庭(本坊庭園)」・「通天橋周辺」の大小3つのコケ寺リウム。「北庭」は、小市松模様の苔庭が見事に再現されていました。人気紅葉スポットでもある東福寺。今年の秋は、紅葉と苔アートが一緒に楽しめそうです。
苔むす禅庭に心癒される建仁寺
京都最古の禅寺である建仁寺は、栄西禅師によって開山された臨済宗建仁寺派の大本山です。国宝「風神雷神図屛風」や法堂天井画の「双龍図」などで知られ、方丈や書院周辺には趣の異なるいくつかの庭園が見られます。
方丈北側の唐子の間に、モシュ印とコケ寺リウムが展示されていました。「拈華堂(ねんげどう)」と力強く描かれたモシュ印に、コケ寺リウムは「大雄苑」・「潮音庭」・「〇△□乃庭」の3つ。中でも本坊中庭の「潮音庭」は、禅庭らしいわびさびを感じることができます。コケ寺リウムの風景を探しに、個性豊かな庭を巡ってみましょう。
艶やかな苔の絨毯が広がる圓光寺
一乗寺の圓光寺は、1601年に開かれた学問所に始まる臨済宗南禅寺派の寺院です。まるで龍が雲海を奔(はし)るような躍動感のある「奔龍庭」に、牧童が牛を追う様子を描いた十牛図にちなんだ「十牛之庭」など、周囲の山々を借景にした素晴らしい庭園が見られます。
「奔龍庭」前の瑞雲閣に、モシュ印とコケ寺リウムがありました。モシュ印には「南無千手観世音」とあり、コケ寺リウムは「奔龍庭」・「十牛之庭から見た本堂」・「正門から見た杉苔の階段」と圓光寺を代表する風景が。「十牛之庭」は、苔が豊かに生い茂る様子が表されていました。山の麓の静かな禅寺で、苔の魅力を堪能してみませんか?