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京都帝釈天9

京都帝釈天で幸せ祈願

約1200年もの歴史を誇る京都帝釈天は、願い事の叶う神様として古くから信仰を集めてきました。願いの鐘の澄んだ音色に耳を傾け、心静かにお参りして願いを叶えてもらいましょう。

和気清麻呂創建の古社

京都帝釈天は山号を紫雲山といい、宝亀11年(720)に和気清麻呂により創建されました。その後2度の火災に遭い、現在の本堂は貞享4年(1688)に再建されたもので、京都府指定文化財に登録されています。本尊の帝釈天は四天王を従え仏法を守護する神様。古くから「願い事の叶う神様」として親しまれています。庚申の日に祀られたことから、平安時代から近畿庚申信仰の一大拠点になっていたそうで、今でも庚申の日には多くの人が訪れます。

京都帝釈天1
京都帝釈天の本堂。本尊の帝釈天は「小遣いやお金に不自由しない」ご利益があるともいわれる。庚申の日には、普段閉まっている本堂の蔀戸(しとみど)が開けられる。
京都帝釈天2
本堂前には、生まれ年の守り本尊の梵字を配した輪がある。大晦日には火が点され、心身を清め健康を呼ぶという「火の輪くぐり」が行われる。
京都帝釈天3
本尊は古来のしきたりで、30年から40年に一度開扉される。両脇に増長天と多聞天が祀られている。

願いの鐘が並ぶ参道

参道入り口から本堂まで、ずらりと並ぶ小ぶりの梵鐘。煩悩と同じ108つあり、「願いの鐘」と呼ばれています。一つひとつに撞木(しゅもく)が添えられていて、順番に鐘をつきながら参道を登ります。静かな山中に「コーン」と響く、澄んだ鐘の音。心に染み入る音色に癒やされます。参道の中ほどには「寅さんの鐘」があるほか、四天王の名を刻んだ黄金色の梵鐘もあります。それぞれ異なる音色に耳を傾けてみましょう。

京都帝釈天4
参道に並ぶ願いの鐘。参拝の行きは願いを込めて、帰りは感謝を込めてつく。
京都帝釈天5
寅さんの鐘は、「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督と深沢宏プロデューサーの好意で設置されたそう。鐘の言葉には妹を思う寅次郎の心情が表れている。
京都帝釈天6
参道途中には安産、子授けのご利益があるという子安観音が祀られている。

京都帝釈天の境内をめぐる

約700メートルの参道を歩き、幸せの鐘を全てつき終わると、そびえ立つような石垣の下に出ます。急勾配の階段を上った先にあるのが、京都帝釈天の本堂です。普段は無人でひっそりと静かですが、大祭や庚申日、除夜の鐘や初詣の期間は参拝者でにぎわいます。境内には三神猿の像や親子地蔵尊、よろこびの鐘と呼ばれる梵鐘など見どころがたくさん。縁を結ぶ小石結びや、災厄や病気を移して飛ばす身代わり鶴などの祈願も行われています。

京都帝釈天7
「見ざる、言わざる、聞かざる」の三神猿。猿は帝釈天のお使いとされ、境内には猿の置物やぬいぐるみが多数奉納されている。一つひとつ手作りされた猿のお守りの授与もある。
京都帝釈天8
子どものために荒波に呑まれる親と、それに気付いても手遅れで助けられず、泣いて手を合わせて親に感謝する子の姿を表した親子地蔵尊。
京都帝釈天9
「恋し」に通じる小石を2つ、赤い糸で結んで縁結びを祈願する。

基本情報

  • 寺社名
    京都帝釈天
    住所
    京都府南丹市八木町船枝
    電話番号
    0771-42-3315(福寿寺)

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。