約1200年もの歴史を誇る京都帝釈天は、願い事の叶う神様として古くから信仰を集めてきました。願いの鐘の澄んだ音色に耳を傾け、心静かにお参りして願いを叶えてもらいましょう。
和気清麻呂創建の古社
京都帝釈天は山号を紫雲山といい、宝亀11年(720)に和気清麻呂により創建されました。その後2度の火災に遭い、現在の本堂は貞享4年(1688)に再建されたもので、京都府指定文化財に登録されています。本尊の帝釈天は四天王を従え仏法を守護する神様。古くから「願い事の叶う神様」として親しまれています。庚申の日に祀られたことから、平安時代から近畿庚申信仰の一大拠点になっていたそうで、今でも庚申の日には多くの人が訪れます。



願いの鐘が並ぶ参道
参道入り口から本堂まで、ずらりと並ぶ小ぶりの梵鐘。煩悩と同じ108つあり、「願いの鐘」と呼ばれています。一つひとつに撞木(しゅもく)が添えられていて、順番に鐘をつきながら参道を登ります。静かな山中に「コーン」と響く、澄んだ鐘の音。心に染み入る音色に癒やされます。参道の中ほどには「寅さんの鐘」があるほか、四天王の名を刻んだ黄金色の梵鐘もあります。それぞれ異なる音色に耳を傾けてみましょう。



京都帝釈天の境内をめぐる
約700メートルの参道を歩き、幸せの鐘を全てつき終わると、そびえ立つような石垣の下に出ます。急勾配の階段を上った先にあるのが、京都帝釈天の本堂です。普段は無人でひっそりと静かですが、大祭や庚申日、除夜の鐘や初詣の期間は参拝者でにぎわいます。境内には三神猿の像や親子地蔵尊、よろこびの鐘と呼ばれる梵鐘など見どころがたくさん。縁を結ぶ小石結びや、災厄や病気を移して飛ばす身代わり鶴などの祈願も行われています。


