見る 見る一覧

お迎え提灯EC

趣向を凝らした行列が見物!祇園祭・お迎え提灯

7月に入り、今年も祇園祭が始まりました。祇園祭は7月1日の吉符入に始まり、山鉾巡行や還幸祭などの様々な行事が執り行われます。7月10日の神輿洗に先立って行われた、「お迎え提灯」を紹介します。

神輿洗の神輿を迎える「お迎え提灯」

毎年7月10日の夜に、祇園祭の行事である「神輿洗」が行われます。神輿洗は、神輿を四条大橋まで担ぎ、鴨川の水で清めるというもの。その神輿を迎えるために、10日の夕刻に行われるのが「お迎え提灯」です。

お迎え提灯では、提灯行列が八坂神社を出発して京都の町を巡行します。午後4時半頃になると、楼門前には「おむかえ」と記された大きな提灯を掲げた先頭行列の姿が。それに函谷鉾の囃子方が続きます。「コンチキチン」と軽やかなお囃子を響かせ、行列はゆっくりと四条通を進んでいきました。

お迎え提灯 - 行列1
お迎え提灯は祇園萬燈会の主催によるもの。続く祇園囃子は、今年は函谷鉾によって奉仕されていた。
お迎え提灯 - 行列2
祇園囃子に続き、「児武者」が勇ましい姿で進んで行った。
お迎え提灯 - 行列3
行列の最後を進む「馬長稚児」。蹄の音が辺りに響いていた。
 華やかな提灯行列と舞踊の奉納

囃子方の後に続くのは、子供たちによる可愛らしい行列です。鎧兜に身を包んだ「児武者」や鮮やかな着物を纏った「小町踊」、白鷲姿の「鷺踊」や真っ赤な熊かつらを被った「赤熊(しゃぐま)」など、どれも見応えがあります。行列は四条大橋を渡り、河原町通から市役所前を通って本能寺へと向かいます。

行列の最後尾の「馬長稚児」が本能寺に到着すると、式典に続いて鷺踊、小町踊、祇園祭音頭の順に舞踊の奉納が執り行われました。この日のために練習を重ねてきた子供たちは、多くの人が見守る中、息の合った元気な踊りを披露してくれました。

お迎え提灯 - 舞踊奉納1
鷺踊は江戸時代中期に途絶えてしまっていたが、昭和31年に島根県津和野町に伝えられていたものを復元。鷺と赤熊が一緒に踊っていた。
お迎え提灯 - 舞踊奉納2
小町踊は元禄時代、七夕の日に少女が舞った踊りが起源といわれている。こちらも一度途絶え、昭和37年に復元された。
お迎え提灯 - 舞踊奉納3
祇園祭音頭は、昭和32年に祇園祭10周年を記念して創作されたもの。30人の少女によって奉納されていた。
八坂神社前での「お迎え」

行列は本能寺を後にして、寺町通から御旅所を通り再び八坂神社へ。その頃八坂神社では、神輿が蔵から出されて舞殿に置かれ、大松明に火が灯されていました。大松明で神輿洗が通る道を清める「道清の儀」が行われ、いよいよ神輿が出発します。

お迎え提灯の行列は、八坂神社の石段の下で神輿の帰りを待ちます。ほどなくして神輿の姿が見えると、無事「お迎え」して、今年もその役目を終えました。神輿は舞殿に戻され、能舞台では再び舞踊が奉納されます。こうして迎えられた神輿は、神幸祭や還幸祭を経て再び神輿洗で清められ、八坂神社へと戻されるのです。

お迎え提灯 - 道清の儀
道清の儀で四条大橋へと向かう大松明。大松明は橋の上でぐるりと回される。
お迎え提灯 - お迎え
神輿が出発してしばらくすると、行列がお迎えのために整列していた。
お迎え提灯 - 神輿
神輿洗では中御座・東御座・西御座の三基のうち、主祭神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る中御座が清められる。清められた中御座は、舞殿の中央に置かれた。

基本情報

  • 行事名
    祇園祭 お迎え提灯
    住所
    八坂神社~京都市役所
    電話番号
    075-561-6155(八坂神社)
    URL
    http://www.yasaka-jinja.or.jp/

この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。