真田紐は、縦糸と横糸で紐状に平たく織られたもの。四条大宮の住宅街の一角にある、戦国時代から続く真田紐の工房「真田紐師・江南」さんで、真田紐を使った小物作りを体験できます。
幅広い分野で使われてきた真田紐
昔ながらの町家造りの工房を訪ねると、色とりどりの真田紐が並んでいます。体験を指導してくださるのは、15代目の店主。まず真田紐の歴史について教えていただきました。
真田紐の歴史は古く、鎌倉時代頃に現在のネパール辺りから伝わったと言われているそうです。縦横からぎゅっと圧縮して織るのが特徴で、その丈夫さから戦国時代には武具の固定や補強にも使われていました。やがて茶道具等の入った桐箱を結ぶのにも使われるようになり、流儀や作家さんごとに独自の柄の紐を使う、「約束紐」や「習慣紐」の文化が現在も残されています。
真田紐は正絹や木綿を使い、一重織のものと二重に織られた袋織のものとがあります。現在、ほとんどの真田紐は機械生産ですが、江南さんは染め・整経・織りの行程すべてを手作業で行う唯一の工房なのです。
真田紐を使ったストラップ作りに挑戦
ストラップ作りでは、始めに真田紐と飾りの玉を選びます。使うのは長さ10㎝ほどの袋織の真田紐。柄は数十種類あり、選ぶのにあれこれ悩んでしまいそうです。組み合わせが決まったら、真田紐の端に切り込みを入れ、先の尖った道具で横糸を取っていき、残った縦糸を結ぶと、房ができます。次に房の上の袋部分にチューブを入れ、細いゴム紐を通し金具でしっかりと固定。最後にゴム紐に玉を通して結べば完成です。30分ほどでオリジナルのストラップができます。
職人さんによる真田紐作りの実演も
ストラップ作りに続き、真田紐の結び方も教えていただきました。今回チャレンジしたのは、裏千家で御茶碗などの正方形の箱を結ぶのに使う「左四方結び」。一度解くと結び直すのが困難なので、誰かに箱が開けられれば気づくという仕組みです。とても複雑で、一つ一つ手順を教えてもらいながらやっと結ぶことができました。
職人さんによる真田紐の実演も行われました。まず木機を踏み縦糸を上下に開き、竹べらに巻いた横糸を通しぐっと圧縮。次に縦糸を通している筬(おさ)を打ち込み、縦方向に圧縮していきます。一定の力加減で織り続けるのが難しく、1日に織れるのは3mほどなのだそうです。貴重な手織り工房の江南さんで、真田紐を使った小物を作ってみませんか?