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山背古道を歩く Vol.1 EC

南山城ハイキング 山背古道(やましろこどう)を歩く 
Vol.1:木津川市の山背古道を歩く

京都府南部の城陽市、井手町、木津川市を通り、奈良へと至る山背古道は、南山城の自然と歴史が満喫できる小径です。奈良との府県境に近い木津駅から上狛(かみこま)駅にかけてのエリアを歩いてみましょう。

山背古道とは

自然豊かな南山城地域の城陽市から井手町を通り、木津川市を抜けて奈良へ至る山背古道。京都と奈良を結ぶ古道をもとに、平成7年に約25kmにわたる散策道として道筋が定められました。田畑や竹林などの自然や、街道の面影の残る古い町並み、歴史ある社寺など、沿道には見どころがたくさん。ハイキングコースとして人気の道です。

民家の間の入り組んだ道や、山に分け入る細道も通る山背古道。詳細なルートが載っている地図があれば、道に迷う心配がありません。地図は各市町のまちかど案内所等で買えるほか、山背古道推進協議会のホームページでダウンロードもできます。

山背古道1
自然豊かな山背古道。時には「ここを通るの?」と言いたくなる細道や山道もあるので、歩きやすい靴は必須。
山背古道2
山背古道の道筋には、方角や距離を示した道しるべのほか、道路に埋め込まれた山マークのサインがある。
山背古道探検地図
詳細なルートが載っている地図は、広げると1.8mにもなる。
商品名:「山背古道探検地図」350円

旧木津町から旧山城町の史跡を巡る

木津川市は、旧相楽郡木津町と山城町、加茂町が合併して誕生しました。JR木津駅の周辺は旧木津町。史跡が点在し、昔ながらの町並みが残るエリアです。木津駅前から国道24号を南下すると、岡田国(おかだくに)神社の赤い鳥居が現れます。ここから山背古道の道筋に合流し北へ向かうと、惣墓(そうばか)五輪塔や、泉橋寺(せんきょうじ)の大きな石地蔵などの鎌倉時代の史跡をはじめ、さまざまな社寺や古い町並みを見ることができます。

岡田国神社(山背古道)
岡田国神社には新社殿と旧社殿があり、旧社殿は室町時代の惣(村人の共同体)における社の姿を伝える重要なものとして、京都府の文化財指定を受けている。
惣墓五輪塔(山背古道)
惣墓(個人の墓が普及していない時代の共同墓地)五輪塔。正応5年(1292)に建立されたことが刻銘により分かり、建立年代が分かる貴重なものとして国の重要文化財になっている。
大智寺(山背古道)
大智寺(だいちじ)の本尊である文殊菩薩坐像は、奈良時代の僧・行基が泉川(現在の木津川)にかけられた泉橋の橋材を用いて刻んだものと伝えられる。これにより橋柱寺という別名を持つ。
泉橋寺(山背古道)
木津川を渡った先の旧山城町にある、天平13年(741)に行基が建立した泉橋寺。高さ4.58mの石地蔵は、日本一の大きさとも言われる。

上狛地域の茶問屋街と環濠(かんごう)集落

南山城は京都府内屈指の茶どころで、約40軒の茶問屋が軒を連ねる旧山城町上狛地域には山城茶業の碑が建っています。また、上狛地区の大里と呼ばれている地域は、中世から続く環濠集落。かつては東西約330m、南北約360mの堀に囲まれていましたが、現在は南東から南西を通り、北西へ至る部分の堀が残っています。香ばしいお茶の香りが漂う上狛の歴史を感じさせる町並みを楽しみましょう。

茶問屋街(山背古道)
茶問屋が立ち並び、お茶の香りが漂う。
環濠集落(山背古道)
上狛の環濠集落。環濠集落内には大井戸などが現存し、歴史を伝えている。

基本情報

  • 寺社名
    岡田国神社
    住所
    京都府木津川市木津大谷1
  • 施設名
    惣墓五輪塔
    住所
    京都府木津川市木津清水
  • 寺社名
    大智寺
    住所
    京都府木津川市木津雲村42-1
    電話番号
    0774-72-2500
  • 寺社名
    泉橋寺
    住所
    京都府木津川市山城町上狛西下55
    電話番号
    0774-86-2426
  • 施設名
    上狛の茶問屋街(茶問屋ストリート)
    住所
    京都府木津川市山城町上狛

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。