八幡市の石清水八幡宮が鎮座する山の麓に、刀剣好きが集う神社があります。うっかり通り過ぎてしまいそうな小さな神社ですが、月次祭当日には多くの参拝者が訪れる相槌神社の魅力を探ります。
千有余年の歴史を持つ古社
石清水八幡宮の表参道付近に鎮座する小さな社・相槌神社は、千年以上前に創建されたと伝わる古社。稲荷神とも呼ばれる宇迦之御魂(うかのみたま)を祀っています。社伝によると、伯耆安綱(ほうきやすつな)が刀を打っていると神が降臨し、槌を打ち合わせた(相槌をなす)とあり、このことから相槌神社と呼ばれるようになったそうです。
伝説の名刀誕生の地
社伝に登場する伯耆安綱は、天下五剣と名高い名刀「童子切安綱(どうじぎりやすつな)」を造った刀工です。安綱はこの地で宇迦之御魂と共に、山ノ井の水を用いて名刀「髭切」と「膝丸」を打ったとされます。山ノ井は八幡五水にも数えられる名水で、三条小鍛冶宗近もこの水で刀を鍛えたそう。現在も枯れることなく湧き出ていて、月次祭が行われる毎月1日と15日には見学することもできます。
刀剣女子に大人気の授与品
刀剣をテーマにしたゲームがヒットし、ここ数年は空前の刀剣ブームが到来。刀剣女子とも呼ばれる女性ファンをはじめ、刀剣愛好家たちが刀剣ゆかりの社寺を訪れています。相槌神社では月次祭当日に御札や御守、御朱印が授与され、これらを求める参拝客で長蛇の列ができるほど。大神と刀の力による悪縁切り、良縁結びの霊験あらたかと評判です。