石清水八幡宮の一の鳥居前から右へ道なりに歩いていくと、神應寺の参道に出ます。平安時代初期に創建されたという八幡市最古の寺院に訪れ、ひっそりと静かな境内の風情を楽しんでみませんか。
石清水八幡宮門前の閑静な古寺
神應寺は貞観2年(860)、男山に石清水八幡宮を勧請した行教律師が、応神天皇の霊を祀るために創建しました。創建当時は異なる宗派の教義を併せて学ぶ、四宗兼学の道場でしたが、現在は曹洞宗の寺院となっています。古くは應神寺と称していましたが、後に天皇の号を冠することをはばかって、神應寺に改めたと言われています。
紅葉名所の境内
神應寺は地元では有名な紅葉名所。例年11月下旬には紅葉まつりが開催され、多くの参拝客でにぎわいます。紅葉まつり期間中は本堂や書院が開放され、本尊の薬師三尊仏や行経律師像、慶長19年(1614)に安置されたという豊臣秀吉公木像などが拝観できます。伏見城の遺構を移築した書院の襖絵や杉戸絵は、狩野山雪の筆だそう。通常時の拝観は、事前予約が必要です。
奥の院の杉山谷不動尊へ参拝
神應寺の境内を出て、谷川沿いの細道を上っていくと、杉山谷不動尊にたどり着きます。ここは、神應寺の奥の院。平安時代の初期に弘法大師が悪鬼を封じ、一刀三礼(いっとうさんらい)により不動明王を刻んで安置したと伝わるそうです。谷不動とも呼ばれ、厄除けの不動尊として信仰を集めています。滝の音が響く静かな境内は厳かな雰囲気。お参りして、厄除けのご利益をいただきましょう。