勝運や招福のご利益で信仰を集める毘沙門天は、寅の日が縁日とされています。山科の古刹・毘沙門堂では、新年最初の寅の日に初寅会が行われ、多くの参拝者が訪れ招福を祈願しました。
高い寺格を誇る山科の古刹
山科駅から北へ徒歩約20分、山裾に伽藍が広がる毘沙門堂は、天台宗五ケ室門跡の一つです。大宝3年(703)に、文武天皇の勅願で行基により創建されました。創建当初は出雲路にありましたが、戦火による焼失と移転再建を繰り返し、寛文5年(1665)に現在地へ移転。本尊に伝教大師(最澄)作の毘沙門天像を祀っていることから、毘沙門堂と呼ばれています。
年初の縁日 初寅会
毘沙門天の縁日は寅の日とされ、特に年初の寅の日は初寅と呼ばれ重んじられています。毘沙門堂では例年、初寅の日を挟む3日間にわたって初寅会を開催。2020年は1月11~13日にかけて祈願法要や護摩供が行われ、福徳成就や商売繁盛、家内安全を祈願する参拝客で賑わいを見せました。
魔除けの寅の福笹で招福祈願
初寅会に訪れる参拝者のお目当ては、魔除けのご利益があるという福笹です。福笹には守護札や、虎に乗った毘沙門天が描かれた絵馬、張り子の虎が付けられています。鬼門を守護する毘沙門天の魔除けパワーは絶大だとか。毘沙門天は招福と勝負の神様でもあるので、福笹を飾って一年間の幸せを祈願しましょう。