京都市山科区の西南に位置する岩屋寺は、大石内蔵助にゆかりの深い寺院。義士まつりの行われる12月14日から1月28日まで特別開扉が行われている、秘仏の不動明王にお参りしませんか。
秘仏の大聖不動明王
岩屋寺は古くは天台宗に属し、後に曹洞宗に改められた尼寺で、かつては山科神社の神宮寺であったと伝わります。秘仏の本尊は智証大師作と伝わる大聖不動明王で、大石内蔵助の念持仏だったそう。義士まつりの12月14日から、初不動の1月28日にかけて特別開扉が行われ、眼光の鋭い不動明王立像を直に拝むことができます。
大石内蔵助隠棲の地
赤穂城を明け渡した大石内蔵助は、親類を頼って山科へ至り、現在の岩屋寺界隈に邸宅を構えました。この地で同士と会合し、敵の目を欺くために伏見の遊郭である橦木町(しゅもくちょう)や、祇園の一力亭で遊興にふけったとされます。天明7年(1787)に刊行された、京都の名所を紹介する『都名所図会』に、岩屋寺にあった内蔵助の邸宅跡が絵入りで紹介されており、当時から有名な観光地であったようです。
内蔵助の遺品や四十七士の木像などが見学できる
岩屋寺の本堂には、大石内蔵助が生前に作らせたという浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)と四十七士の位牌が並べられています。また、宝物館には内蔵助の槍や机、書物などの遺品が展示され、間近で見学も可能。毘沙門堂には、四十七士の木像が並べられています。山科での生活が偲ばれる遺品の数々は、忠臣蔵ファン必見です。