菅原道真を祀る吉祥院天満宮は、知恵と能力開発の神様として信仰を集めています。菅原道真が生まれた土地という伝説もあり、産湯の井戸や、へその緒を埋めた塚などが境内に残っています。
吉祥院の天神さん
吉祥院天満宮は、菅原道真が大宰府で没した31年後の承平4年(934)、朱雀天皇の勅命により創建されました。もともとこの一帯は、平安京遷都時に道真の曽祖父・古人(ふるひと)が拝領した土地で、菅原家が邸宅を構えたと伝わっています。菅原道真の生誕地は様々な説がありますが、この吉祥院天満宮も、生誕の地と伝わる場所の一つです。
地名にもなった吉祥院
道真の祖父・清公(きよきみ)は、遣唐使として唐へ向かう途中で海難に遭い、吉祥天女の霊験で救われたことに感謝し、帰国後に自ら刻んだ吉祥天女像を祀る一堂を建立しました。このお堂を吉祥院と呼んだことが、吉祥院の地名の由来です。この吉祥天女像は、応仁の乱の戦火を逃れるため土に埋められ、後に掘り起こして再び祀られたと伝わっています。
道真ゆかりのスポットめぐり
菅原家の邸宅があったという吉祥院天満宮の境内には、道真ゆかりのスポットが点在。道真のへその緒を埋めたと伝わる胞衣(えな)塚や、産湯の井跡、道真が参内する時に姿を映したと伝わる鏡の井などを見ることができます。清公が建立した学問所の文章院聖堂跡や、道真が幼少期に手習いに用いたと伝わる硯之水の顕彰碑など、知恵の神様ならではの史跡も見どころです。