京都の各地で、梅が見頃を迎えています。梅の花をこよなく愛した人物と言えば菅原道真。風に運ばれる梅の馥郁たる香に誘われ、道真の人生をたどるゆかりの地めぐりに出発です。
道真生誕の地を訪ねる
菅原道真は承和12年(845)6月25日に生まれ、延喜3年(903)2月25日にその生涯を閉じます。幼少期より優れた学才を見せ、5歳で和歌を、11歳で漢詩を詠んだそう。道真の生まれた地には諸説ありますが、京都市内での有名どころは菅原院天満宮と、菅大臣神社、吉祥院天満宮。謎に満ちた生誕の地を訪ねてみましょう。
道真、太宰府へ
政治家としても才能を発揮し、宇多天皇から重用された道真でしたが、政争に敗れ失脚し、太宰府へ左遷。太宰府へ旅立つ前に、道真はゆかりの人や、愛でていた木々に別れを告げたとされます。邸宅の梅の木が道真を追って、一夜で太宰府へ飛んでいったという伝説は有名です。
天神信仰の発祥
失意の中、道真は太宰府で病没。その後、都では紫宸殿に落雷があり、天変地異が騒がれるようになります。道真が怨霊となって都に災いをなしていると考えられ、その御霊を祀ったのが天神信仰の始まり。今ではその才知にあやかり学問の神様として信仰され、全国に約1万社祀られているとされています。