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梶井基次郎が歩いた京都EC

梶井基次郎が歩いた京都

3月24日は檸檬忌。『檸檬』を書いた夭逝の作家、梶井基次郎の命日です。第三高等学校(現在の京都大学)で学び、京都の街をそぞろ歩いた梶井基次郎の足跡をたどってみましょう。

若かりし日の梶井基次郎の足跡をたどる

梶井基次郎は第三高等学校に入学し、大阪の実家を出て学校近辺に下宿しました。現在でも、京都大学の周辺は学生の街。『檸檬』に描かれる「私」のように、街から街へ、裏通りなどを散策してみましょう。若き日の梶井基次郎の心象風景が垣間見られるかもしれません。

京都大学
大きな楠と時計台は、京都大学のシンボルマーク。
吉田山(吉田神社)
卒業までに下宿を転々とした梶井基次郎。三高寮歌にも歌われる吉田山の麓に住んでいたこともあるそうだ。
熊野神社
東大路丸太町に鎮座する、紀州熊野大神を勧請した熊野神社。京都大学の下宿生が多いエリアだ。
小説に織り込まれた美しい風景に出会う

梶井基次郎が京都を舞台に書いた作品には、『檸檬』と『ある心の風景』があります。どちらも梶井の実際の体験が下地になり、心象風景を投影した作品だと言われています。感覚的な表現の中、京都の街が時には幻想的に、時には荒廃的に描かれ、読者を惹きつけます。

祇園
『ある心の風景』の主人公は、祇園の遊郭の火の見櫓から八坂神社や花街を眺めた。
鴨川の荒神橋
『ある心の風景』で美しく描写される鴨川の荒神橋。下流の段差部分の水の流れが、作品中で「簾のよう」と表現されている。
檸檬の舞台を歩く

梶井基次郎の代表作とも言える『檸檬』。作品中に登場する丸善は、当時は麩屋町三条にありました。その後河原町蛸薬師に移転し、2005年に閉店。10年の歳月を経て復活したときには、「檸檬の舞台・丸善が復活」と話題になりました。今も『檸檬』は広く愛されています。

八尾卯の跡地
主人公がレモンを購入した八百卯の跡地。八百卯は2009年に閉店したが、表札とカラフルなテント屋根に往年の姿を偲ぶことができる。
丸善
2015年に新たな地で誕生した丸善。一角には檸檬の特設コーナーが設けられている。

基本情報

  • 施設名
    京都大学
    住所
    京都市左京区吉田本町
    電話番号
    075-753-7531
    URL
    http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/
  • 施設名
    吉田山(吉田神社)
    住所
    京都市左京区吉田神楽岡町
  • 寺社名
    熊野神社
    住所
    京都市左京区聖護院山王町
    電話番号
    075-771-4054
  • 施設名
    八尾卯跡地
    住所
    京都市中京区寺町二条角
  • 店名
    丸善
    住所
    京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251 京都BAL 地下1階・2階
    電話番号
    075-253-1599

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。