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文人ゆかりの梅の花EC

都に春を告げる、文人ゆかりの梅の花

凛とした冬の冷気のなか、古の文人たちも愛した梅の花が可憐に咲いています。運がよければ、メジロやウグイスに出会えるかもしれません。

全国にある天満宮の総本社、北野天満宮

平安時代、学者出身の政治家として活躍した菅原道真は、藤原氏の陰謀によって九州の大宰府に左遷され、2年後に大宰府で亡くなりました。道真をまつる北野天満宮では、50種、約1,500本の梅が見頃を迎え、3月下旬にかけて梅苑と御土居(おどい)を特別公開しています。

北野天満宮 - 三光門と梅

北野天満宮 - 牛と白梅
天神さまのお使いである牛の像。牛をなでた手で自分の頭をなでると、頭がよくなるという。

梅の花を愛した道真は、京都の自邸を紅梅殿と名づけ、梅の花にまつわる歌を多く残しました。道真は生まれた日、左遷された日、命日のすべてが25日。そのため毎月25日に縁日が開かれます。

北野天満宮 - 紅梅
美しや 紅の色なる 梅の花
あこが顔にも つけたくぞある

道真が5歳の頃に詠んだ歌で、「庭に咲く紅梅の花びらで自分の頬を飾りたい」という意味。
「あこ」は道真の幼名、阿呼。

北野天満宮 - 紅梅殿
東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
主(あるじ)なしとて 春を忘るな      (拾遺和歌集)

菅原道真が冤罪によって大宰府に左遷される際、自邸に咲く梅の花との別れを惜しんで詠んだ歌。のちに、その梅が大宰府の道真のもとへ飛んでいったという「飛梅伝説」がある。

北野天満宮 - メジロ
梅の花蜜を好むメジロの姿も見られた。

北野天満宮 - 梅苑

北野天満宮 - 茶菓子
梅苑の入苑料は700円。苑内の茶店で、老松の焼菓子「菅公梅」と梅茶をいただける。
北野天満宮 - 御土居
豊臣秀吉が1591年(天正19年)に築いた、洛中を囲む史跡「御土居」の梅。梅苑とともに特別公開されている。
道真が名残を惜しんだ思い出の地、長岡天満宮の梅

菅原道真は、長岡の地で在原業平らと詩歌管弦を楽しんだと伝えられています。太宰府へ左遷されるさい長岡に立ち寄った道真は、「我が魂長くこの地にとどまるべし」と名残を惜しんだと伝えられています。

長岡天満宮 - 大鳥居

長岡天満宮 - 酉年 大絵馬
本殿前参道と正面大鳥居横に、干支絵馬が設置されている。
長岡天満宮 - コウメ
境内と、隣接する長岡公園を合せると400本以上の梅が咲き、3月上旬から中旬にかけて見頃を迎える。

長岡天満宮 - 清廉潔白の碑

長岡天満宮 - 和歌
海ならず たたへる水の 底までも
清き心は 月ぞ照らさむ (新古今和歌集)

道真が大宰府へ左遷される道中、備前の国で詠んだ。「海よりもさらに深く清水をたたえた水の底までも清く、澄みきっている私の心底を、ただ月だけが照らしてくれるだろう」という意味。

長岡天満宮の梅花祭は、毎年決まった日程ではなく、梅が見頃となる3月中旬に開催。お茶席が設けられ、梅の花をお供えして道真の魂を慰めます。

「松花堂庭園」の梅と水琴窟

京阪くずは駅から京阪バス「大芝・松花堂前」停留所からすぐ。茶の湯を通して小堀遠州や詩仙堂の石川丈山など、江戸時代に一流とよばれた文人たちと交流を深めた石清水八幡宮の社僧、松花堂昭乗ゆかりの「松花堂庭園」では、約400種の竹と四季折々の花を楽しむことができます。

松花堂庭園 - 松花堂

松花堂庭園 - 松花堂と椿
1637年(寛永14年)、松花堂昭乗が石清水八幡宮のある男山中腹に建てた草庵茶室「松花堂」。神仏分離によって現在地に移された。

松花堂庭園 - 茶室 梅隠

松花堂庭園 - 白梅と梅隠
千家3代目、千宗旦の居宅にあった茶室を復元した庭園茶室、梅隠(ばいいん)。
松花堂庭園 - 水琴窟
竹筒にそっと耳をすませてみよう。水琴窟のかすかな音色に心が和む。

基本情報

この記事を書いた人

Miki
緑と海が好き、身体を動かすことが好き、食べることが大好き、食欲もりもり天然人。