真言宗の宗祖・弘法大師と、中興の祖・興教大師。両祖の生誕を祝い、6月15日に勤修される青葉まつり。抜けるような青空の下、お堂巡りの参拝者が列をなし、賑わいを見せました。
学舎として創建された歴史を持つ智積院
智積院は、真言宗智山派の総本山。平安後期の僧である興教大師が、衰退の途をたどっていた真言密教を再興し、紀州の根来山に道場を開きました。鎌倉以降には数多くの塔頭が建てられ、智積院はその中の学頭寺院として創建。根来山は豊臣秀吉によって廃されますが、智積院は慶長6年(1601)に現在地で再興しました。以降、修行道場として歴史を歩み続けています。
緑輝く境内を集印しながら巡る
6月15日の弘法大師、17日の興教大師の生誕を祝い、緑の美しい時期に修せられる青葉まつり。参拝者は、受付で授かる用紙を手に、諸堂を巡ります。大日如来を祀る金堂、不動明王を祀る明王殿、阿弥陀如来を祀る講堂、弘法大師を祀る大師堂、興教大師を祀る密厳堂で、用紙に梵字の印を押してもらい、その用紙を御札として持ち帰ります。
見応え抜群の柴燈護摩
青葉まつりのハイライトは、山伏による柴燈護摩。金堂での慶祝法要が終了すると、頭巾や結袈裟などの装束に身を包んだ山伏が、金堂前に設けられた柴燈護摩道場に集い、法要を営みます。読経ののち、道場を清める様々な作法が行われ、不動明王の灯火からうつした松明で護摩壇に点火。もうもうと立ち上る煙が、大きな団扇で煽られる様は圧巻です。