西山の山腹に伽藍を構える善峯寺で、紫陽花が見頃を迎えています。山肌を約1万本の紫陽花が埋め尽くす様は圧巻です。梅雨の時期ならではの紫陽花の美を堪能しましょう。
広大な伽藍から京都市を一望
善峯寺は、長元2年(1029)に源算上人により開かれ、長元7年には後一条天皇より鎮護国家の勅願所と定められた古刹。以後、皇室の崇敬を受け、多くの親王が籠居するなどして栄えましたが、応仁の乱で堂宇の大半を焼失。江戸期に、徳川5代将軍綱吉の母・桂昌院により復興されました。西国観音霊場の札所でもあり、巡礼者が次々に訪れます。
回遊式庭園をめぐる
善峯寺の境内は、回遊式庭園として整備されています。庭園を散策しながら諸堂を巡りましょう。中でも遊龍の松は必見。樹齢600年以上、全長は約37メートルあり、日本一の松とも呼ばれています。境内を一周すると約40分ですが、見所が多く、あっという間に時間が経ちます。バスが1時間に1本しかないので、計画的に拝観しましょう。
カラフルに彩られるあじさい苑
境内北側の斜面に広がる、およそ3000坪の白山桜あじさい苑。赤や青、紫や白など、約1万株のカラフルな紫陽花を、梅雨の雨がますます鮮やかに輝かせています。雨が続いて気が滅入りがちな季節ですが、この雨があるからこそ美しさを増す紫陽花たち。山寺の梅雨の光景は心を癒やしてくれます。