2018年は、平清盛生誕900年。平氏の栄華の時代を築いた清盛の邸宅跡には、若一王子を祀る神社が鎮座しています。開運出世を祈願して、栄華を極めた清盛にあやかりましょう。
清盛ゆかりの開運出世の社
若一神社の起こりは宝亀3年(772年)。唐の僧・威光上人が若一王子のご神体を笈(おい)に背負い訪れ、神意に従い森の古堂に安置しました。その後、ご神体は土中に埋没してしまいます。さらに時代は下り、平清盛がこの地に別邸を構え、西八条御所と称しました。仁安元年(1166年)に清盛がお告げを受け、廷内の築山を掘ると、ご神体が出現。これを祀って開運出世を祈ったところ太政大臣に出世したことから、開運出世の神様として信仰を集めるようになりました。
旅立ちの神様
若一神社が鎮座するのは、西国街道と山陰道が交わる辺り。古くから交通の要所であり、都へ出入りする人々でにぎわいました。清盛が熊野詣に出立するときに道中の安全を祈願したことや、平氏一門が任国へ下るときにこの地から旅立ったことから、旅立ち、道中安全の神様として信仰されるようになったそうです。今でも、旅行に行く人や、入学や留学、就職などで遠くへ旅立つ人が手を合わせ、安全を祈願します。
境内に涌く御神水
若一神社の境内には、銘水と名高い御神水の井戸があります。神供水と呼ばれるこの井戸の水は、清盛がご神体を見つけて社殿を建立し祀って以来、ご神前にお供えしてきた水だそう。清盛が熱病にかかった際に、体を冷やすのに使ったとも伝わります。近隣の人々は子どもが生まれると、この水を産湯として使ってきました。開運出世の水ともいわれ、今も水を汲みに人々が絶えず訪れます。