秋の七草の一つに数えられるフジバカマ。古今和歌集や源氏物語にも登場する、古くから愛されてきた花です。貴重な原種のフジバカマが咲き乱れる、大原野のフジバカマ園を訪れてみましょう。
復活した希少な花
フジバカマは中国原産のキク科の花で、秋の七草の一つに数えられています。香水蘭の別名もあり、香り高いことから貴族たちが匂い袋にして身に付けたといわれています。かつて京都に自生していたフジバカマは絶滅したと考えられていましたが、1998年に西京区大原野で原種の株が発見・保全されて、復活を遂げました。
大原野の山間に広がるフジバカマの花畑
大原野の山の中、善峯寺のほど近くに、フジバカマの花畑が広がります。地元の方たちが大切に育てているもので、花の時期には鑑賞することができます。例年9月の秋分の日ごろには「大原野フジバカマ祭」が開催され、フジバカマを入れたお守りやフジバカマの匂い袋、大原野産の酒米を使用した日本酒「藤袴」などが販売されます。
花に集まる虫を観察しよう
香り高いフジバカマには、多くの虫が集まってきます。運が良ければ、約2000kmの距離を渡るという珍しい蝶、アサギマダラの姿も。フジバカマが満開になる9月末から10月上旬にかけては、アサギマダラが飛来する確率も上がるそうです。フジバカマのほかにもさまざまな山野草が植えられているので、それぞれの花に集まる虫を観察してみましょう。