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西国街道を歩くEC

旅人気分で向日市の西国街道を歩く

西国街道は、京都の東寺口から長岡京や大山崎を経て、大阪の摂津から西国へ到る古い街道。街道筋には古い町並みが残り、往時の風景を留めています。向日市内の西国街道を歩いてみましょう。

旅人を見守った常夜灯と道しるべ

西国街道の歴史は古く、平安京と長岡京を結んでいることから、平安京成立の頃が起源と考えられています。街道沿いには、昔の旅人たちが目印にしたであろう常夜灯や、道しるべが今も点在。往来を見守り続けています。かつての旅人が歩いた道筋をたどり、街道の歴史に思いを馳せてみましょう。

築榊講(つきさかこう)の常夜灯
阪急東向日駅からすぐの、築榊講(つきさかこう)の常夜灯。天保13年(1842)に建立された石灯籠で、向日市内に現存するものの中では最大。左側が西国街道。
五辻の常夜灯
向日町南山に建つ五辻の常夜灯。慶応元年(1865)に建立された石灯籠で、昭和初期に道路拡張工事で移設。平成24年に再び五辻に戻された。
寺戸町梅ノ木の道標
寺戸町梅ノ木の道しるべ。大原野神社、淳和天皇陵と桓武天皇皇后陵、灰方地蔵と岩蔵観世音、宝菩提院観世音への道しるべ4基が建つ。
街道筋に残る古い街並み

向日市内の西国街道は、街道の情緒を残す景観を活かし、平成4年に石畳で舗装した散策路として整備されました。昔ながらの佇まいの建物も点在し、街道に風情を添えています。上植野町下川原の一帯は、向日市の名産である竹をイメージした灯りが設置され、石畳とマッチして街道の情緒にあふれています。

須田家住宅
愛宕道(物集女〈もずめ〉街道)と西国街道の分岐に建つ須田家住宅。明治30年代まで醤油を製造販売していた旧家で、元和2年(1616)の古文書にも記載されている。
中小路家住宅
江戸初期から続く旧家の中小路家の住宅。邸内でコンサートや、茶道やパソコン等の教室など、さまざまな催しが行われるほか、喫茶室も併設されている。
上植野町下川原
中小路家住宅のある上植野町下川原一帯は、向日市の西国街道の中でもとりわけ風情のある道。絶好の撮影スポットだ。
日本初の有料橋

下川原の町並みを抜けると、小畑川に出ます。この小畑川は暴れ川で、昔から洪水が多く、橋が何度も流されたそう。掛け替えの費用に充てるために、通行人から一文ずつ徴収したことから、一文橋と呼ばれるようになったとされています。橋の通行に費用を徴収したのはこの橋が起こりで、日本初の有料橋だという説も。一文橋を渡ると長岡京市に入ります。

一文橋
一文銭のオブジェが置かれる一文橋。小畑川は西京区の老ノ坂から大原野を流れ、大山崎で桂川に合流する。

基本情報

  • 施設名
    築榊講常夜灯
    住所
    京都府向日市寺戸町初田
  • 施設名
    五辻の常夜灯
    住所
    京都府向日市向日町南山
  • 施設名
    寺戸町梅ノ木の道標
    住所
    京都府向日市寺戸町梅ノ木
  • 施設名
    須田家住宅(非公開)
    住所
    京都府向日市寺戸町西ノ段
  • 施設名
    中小路家住宅
    住所
    京都府向日市上植野町下川原48
    電話番号
    075-921-2657
    URL
    http://www.eonet.ne.jp/~nakakoji/
  • 施設名
    一文橋
    住所
    京都府向日市上植野町吉備寺

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。