日本三文殊に数えられる宮津市の智恩寺で、1月9日から10日にかけて開催された文殊堂十日ゑびす。福笹や熊手を手にした参拝者が行き交い、一帯は華やかな雰囲気に包まれました。
天橋立の文殊堂
天橋立の南端に位置する宮津市の智恩寺は、切戸(きれと)の文殊さん、久世戸の文殊さんの通称で知られ、日本三文殊の一つに数えられています。雪舟作の天橋立図にも描かれ、古くから知恵を授けてくれる文殊さんとして信仰を集めてきました。現在も学業成就や合格祈願をする参拝者でにぎわっています。
文殊堂の十日ゑびす
智恩寺の新春行事の一つ、1月9日の宵ゑびすと1月10日の十日ゑびす。文殊菩薩像の特別開扉が行われ、商売繁昌や学業成就を祈願する人々でにぎわいました。境内には露店が並び、本堂の文殊堂には縁起物をつけた笹が飾られ、新春らしい華やかな雰囲気に。甘酒の無料接待もあり、参拝者らが冷えた体を熱々の甘酒で温めていました。
福を招く縁起物
文殊堂の十日ゑびすは江戸時代に始まり、弘法大師による大黒天の版木から福札を刷って参拝者に授与していたと伝わります。現在はこの福札を折って棒状にした「福棒」を、福娘が参拝者に授与。福徳長寿のご利益があるとされ、福棒を受けた人には縁起物が当たる吉祥宝くじも用意されています。文殊堂内では縁起物の熊手や福笹も授与され、参拝者らが次々に買い求めていました。
お参りがてら観光も楽しもう
十日ゑびすの期間中は、門前町も華やかに活気づきます。文殊菩薩に学業成就を祈願し、門前の茶屋で知恵の餅を食べるのが王道コースで、餅を求める人々で長い行列ができていました。門前町の雰囲気を楽しんだら、天橋立を散策してみましょう。運が良ければ、船を通すために回旋橋が動くところが見られます。一足伸ばして天橋立ビューランドへ行き、股のぞきで天を舞う龍のような天橋立を楽しむのもいいですね。