小豆を炊いた甘い汁に、香ばしく焼いたお餅を入れる善哉は、一休禅師が名付け親といわれています。酬恩庵一休寺で「一休善哉の日」が開催され、参拝者らが一年の誓いを立てて絵馬を奉納し、善哉に舌鼓を打ちました。
一休さんと善哉
とんち話で広く親しまれる一休さん。その一休禅師が、小豆汁に焼いた餅を入れたものを食べて「善哉此汁(よきかなこのしる)」と言ったことから、善哉と呼ばれるようになったそう。一休禅師が1月1日生まれであることにちなみ、一休寺では1月最終日曜日を「一休善哉の日」としています。その年一年の善い行いを一休禅師に誓い、絵馬を奉納し善哉をいただいて成就を願う日として、多くの参拝者が訪れます。



一年の誓いを立てる
一休善哉の日に訪れたら、まずは絵馬に今年一年の目標や誓いを書き、一休禅師の木像が祀られる方丈で祈祷を受けます。般若心経が唱えられ、絵馬を奉納した参拝者の名前がひとりずつ読み上げられた後は、簡単な座禅体験。背筋を伸ばして座り、心を静めます。祈祷が済んだ絵馬を受け取り、絵馬所に奉納したら、善哉の接待所へ向かいます。


温かい善哉に舌鼓
絵馬を奉納して一年の誓いを立てたら、いよいよ善哉の時間。朱塗りのお盆に載せられ、一休寺納豆が添えられた善哉をいただきます。こんがりと焼き目の付いたお餅はやわらかく、上品な甘さの小豆の汁も絶妙。箸休めにいただく一休寺納豆の塩気と独特の風味が、さらに善哉の味を引き立てます。2019年の一休善哉の日は厳しい冷え込みでしたが、善哉が体を内側からぽかぽかと温めてくれました。


