『きょうも京都で京づくし 地元の遊び方とおいしいもん』
(地球の歩き方コミックエッセイシリーズ)
てらいまき著
ダイヤモンド・ビッグ社刊 1000円(税別)
ようやく秋の気配が感じられるようになりました。
行楽シーズンに向けて、書店にはぞくぞくと新しい京都本が並んでいますね。
そんななか、京都ツウ読本の注目のひとつが『きょうも京都で京づくし 地元の遊び方とおいしいもん』です。
著者のてらいまきさんにコメントもいただきました。
この本は、美しい写真と文章のガイドブックではなく、漫画でコミカルに描かれた「コミックエッセイ」というジャンルの京都本です。
著者は京都生まれ京都育ち、しかもおうちは歴史ある京町家!という
イラストレーター・漫画家のてらいまきさん。
お正月から大みそかまで、京都のさまざまな祭事や名所に足を運び、リアルに食べた数々のおいしいものが彼女の目線で描かれています。
てらいさんは、生まれも育ちも京都ながら意外にも京都の風習を知らなかったそう。そこで「てらい家でやっていることぐらいは、ひと通り詳しく知っておこう」と思い、家族それぞれの行きつけのスポットなど、一緒にいろんなところに足を運び、漫画にしたためられました。
「初詣など、あたり前のように毎年行っている行事は、改めて漫画にするのが難しかったです。特にお寺の建物や祇園祭の鉾を描くのに相当手こずりました(笑) 私のお気に入りは、最高のトランス状態が味わえる奇妙なイベント“ミッドナイト念仏”。知恩院の国宝の三門で行われているというのがまたすごいんです!」と、てらいさん。
読み進めると、多くの人が「なんとなくは知っていたけど、詳しくは知らなかった」であろう風習や情報が満載。観光の方はもちろん、京都在住の方でも楽しめます。思わず吹き出してしまう町家暮らしのリアルがコミカルに描かれたコラムも必見です。
てらいさんは著書『まんぷく京都』(KADOKAWA)もそうですが、料理の描写がとにかく細やか。イラストからも美味しそうなのがしっかり伝わってきます。「あぁ~これ食べてみたい!」と思わずにはいられません。ほんとに、垂涎ものです。
「超有名スポットはあまり出していないので、もっといろんな京都を見てみたい!という方、地元目線の京都が気になる方、町家暮らしに興味がある方に読んでいただきたいです」とのこと。ディープな情報ぎっしり、読み応えのある一冊。これを読めば真の京都ツウに一歩近づけそうですよ。