明治維新から約150年経った今なお、多くの人の心をとらえて離さない新選組。一般的に京都のイメージが強い彼らですが、実はその歴史は現在の東京都日野市から始まったのです。京都の史跡めぐりとは一味違う、新選組のふるさとめぐりをしました。
新選組はここから始まった!──日野市立新選組のふるさと歴史館
近藤勇は上石原村(現・調布市)、土方歳三は石田村(現・日野市)の出身であり、多摩地域は新選組の中心人物を輩出しました。日野市立新選組のふるさと歴史館では、新選組の誕生から終焉まで、郷土史を交えて展示しています。屯所があった京都・壬生の旧前川邸の図面や、新選組最後の隊長・相馬主殿(主計)の手記「贈友談話」など、日野市所蔵の貴重な史料は必見です。
貴重な本陣建築を眺めながら、当時に思いを馳せる──日野宿本陣
江戸時代、甲州道中の重要拠点であった日野宿。その中程には本陣、脇本陣が軒を連ねていました。そして日野宿本陣には最後の名主を務めた佐藤彦五郎によって、天然理心流の道場「佐藤道場」が開かれました。近藤勇や土方歳三、沖田総司らが激しい稽古に取り組んだ地でもあるのです。日野市指定有形文化財、東京都指定史跡として指定されている貴重な本陣建築を見学しながら、ここで汗を流した、のちの新選組隊士たちに思いを馳せるのはいかがでしょうか。
貴重な遺品や史料を前に、土方歳三の息吹を感じる──土方歳三資料館
日野市の土方歳三生家跡は現在、ご子孫が住居の一部を土方歳三資料館として公開しています。命日にあわせて年に一度、期間限定で展示される愛刀・和泉守兼定の刀身をはじめ、直筆書簡、京に上る直前に編んだ句集の豊玉発句集、池田屋事件で使用した鎖帷子などが展示されています。武士を夢見た幼少・青年時代から、京都で華々しく活躍した新選組時代、また函館時代まで、土方歳三の生々しい息吹が感じられる場所です。