城南宮で毎年7月20日に行われる例祭は、お涼みの名で親しまれています。本殿前に涼やかな氷柱が捧げられ、参道に露店が並んで参拝者でにぎわうお涼みの様子を紹介します。
方除けの社 城南宮
方除けの社として知られる城南宮は、平安遷都に際し都の安泰と国家守護を祈って創建された神社。国常立尊(くにのとこたちのみこと)と大国主命、神功皇后を城南大神として併せ祀っています。城南宮が鎮座する鳥羽は、鴨川と桂川が合流する地域。河港の鳥羽津から都へ至る鳥羽の作り道を行き交う人々の安全を見守ってきた神様として、旅行や交通の安全、厄除けの信仰を集めています。
夏の宵の例祭 お涼み
7月20日に行われる「お涼み」は、夕方から始まる城南宮の夏の例祭。土用入りの宵に、夕涼みを兼ねて参拝する風習から行われるようになったことにちなんで、お涼みと呼ばれているそうです。拝殿には提灯がともされ、本殿前に「方除安全」と「無病息災」の木札と榊を入れた氷柱が置かれて、夏の宵を涼やかに演出。参拝者が氷を撫でて涼を取ります。
お涼み神楽で厄祓い
お涼みの当日には午後6時から、神楽殿でお涼み神楽が舞われます。まず神職によるお祓いが行われ、福笹の束を手にした巫女が登場。軽やかに鈴を鳴らしながら神楽を舞い、参拝者の厄を祓います。神楽が終わると福笹が授与されるので、ぜひ手に入れましょう。方除けや縁結び、交通安全や学業成就などのお守りから一つ選び、福笹に結び付けてもらって、お祓いを受けます。神楽で使われる福笹は、年に一度の特別授与でご利益がありそうです。