寝殿造りの庭をモデルにした城南宮「平安の庭」で催される「曲水の宴」。奈良時代から平安時代にかけて宮中で行われた宴を再現したもので、京都を代表する年中行事のひとつです。
紅葉の下で、ゆったりと流れる時間
春は新緑まぶしい4月29日、秋は紅葉が色づき始める11月3日の14時から「曲水の宴」が斎行されます。春先に水を浴びて身を清め無病息災を願う風習は、大陸にも古代日本にもありました。この春のみそぎが大宮人の遊びとなります。(写真は4月29日の「曲水の宴」にて撮影)
当日は大変混み合います。椅子席(約5列)の前列に座るなら2時間前、立見席の前列で見るなら1時間前までに行くことをおすすめします。
源氏物語にちなんだ花の庭
源氏物語に登場する、四季の庭を備えた光源氏の六条院。この美しい邸宅に影響を受けて、白河上皇は院政の拠点となる城南離宮(鳥羽離宮)を、城南宮を取り囲むように造営したと言われています。
『源氏物語』に描かれた80種あまりの草木を配し、四季折々の花や紅葉が彩る神苑は、5つのエリアで構成。11月中旬ごろから「平安の庭」「室町の庭」「桃山の庭」で、イロハモミジなど約100本の木々が色づき始めます。(写真は4月29日に撮影)
引越・工事・家相の心配を除く「方除(ほうよけ)の大社」
城南宮は、794年に平安京へと遷都された際に、都の安泰と国の守護を願って創建されました。家庭円満・厄除・安全祈願・車のお祓いなど、全国から参拝者が訪れます。また境内の「菊水若水」は伏見の名水のひとつで、病気平癒の霊験あらたかな神水と言われています。