2020年の大河ドラマで一躍脚光を浴びている、戦国武将・明智光秀。光秀は丹波国を平定し、善政を敷いたとされています。福知山市には、光秀を祭神として祀る神社があります。
光秀の御霊を祀る御霊神社
福知山駅から徒歩10分ほどの公園の一角に、御霊神社があります。御霊とは神霊のほか、恨みを持って死んだ人や、非業の死を遂げた人の霊を指します。天災や疫病をこの御霊と結びつけて考え、人々は御霊を祀ることで災厄を祓おうと考えました。福知山の御霊神社は、謀反人として追われ、悲劇的な最期を迎えた明智光秀の御霊を祀っています。
桜と紅葉の美しい境内
御霊神社は、もともとは福知山城下に宇賀御霊大神を祀る稲荷社として創建されました。宝永元年(1704)、当時の藩主・朽木稙昌(くつきたねまさ)が、この稲荷社に明智光秀を祭神として合祀し、御霊神社に改めたとされています。大正7年に、現在地に遷座。参道や境内には桜や楓が植えられ、春と秋に美しく境内を彩っています。
堤防が御神体の摂社
福知山は古くから、由良川の氾濫に悩まされてきました。天正8年(1580)に光秀が由良川の付け替えや堤防造営を行って以降、さまざまな治水工事が行われ、水害は減少したそう。このことから福知山市では、氾濫を抑える大切な役目を担う堤防に感謝して、毎年8月15日に堤防祭りが行われています。これに伴い昭和59年に建立されたのが、日本で唯一の堤防神社です。過去の水害を忘れないための拠り所として、注目を集めています。