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妙顯寺8

芸術と光が織りなす幻想の世界 妙顯寺のライトアップ

日蓮宗京都八本山の一つである妙顯寺で、特別公開に合わせて「まるごと美術館」と題したアート作品の展示とライトアップが行われています。普段とは異なる幻想的な雰囲気に包まれた妙顯寺を紹介します。

京都初の日蓮宗寺院

妙顯寺は元亨元年(1321)、日蓮聖人の孫弟子・日像上人により、京都で最初の日蓮宗寺院として建立されました。尾形光琳や酒井抱一などの琳派の芸術家と深い結びつきを持ち、数々の作品が残されていることで知られています。この芸術とゆかりの深い妙顯寺で、若手芸術家らの作品展示とライトアップを行う「まるごと美術館」が開催されています。

妙顯寺1
寺之内通に面する妙顯寺の山門。
妙顯寺2
参道の木々がライトアップされ、異界に迷い込んだかのよう。
妙顯寺3
右の御朱印は波揺り御題目と呼ばれ、「龍の躍るが如し」と形容される曲線が特徴的。左は夜間拝観期間中に授与されている限定御朱印。
商品名:「波揺り御題目御朱印」500円、「夜間拝観限定御朱印」500円

若手芸術家の作品を鑑賞

京都市内の社寺を舞台に、春秋に開催される「まるごと美術館」は、神社や寺院全体を美術館にするプロジェクト。2019年秋は10か所を舞台に開催されています。妙顯寺では、秋の特別公開期間中(11月16日~12月8日)に実施。第2回京都伝統工芸大学作品展として、学生の作品が展示されています。陶芸や彫刻、友禅など、若い感性のあふれる様々な工芸品が鑑賞できます。

妙顯寺4
神々の宴シリーズ「臥龍」と題された作品。
妙顯寺5
旅がテーマの作品。畳敷きの室内に庭園が出現。
妙顯寺6
花脊の藁などを用いた作品。蓮がテーマ。手前の作品は椅子になっている。

昼とは異なる表情を見せる庭園

妙顯寺は趣の異なる四つの庭園で知られています。この庭園が、昼とは全く趣の異なる様相を呈するのが、ライトアップの醍醐味。椅子や座布団が用意されているので、座ってじっくり鑑賞できます。手足が冷えるため、防寒対策も忘れずに。庭園のほか、仏殿の縁側や大本堂の周囲に配置された行灯にも注目。お釈迦様の一生など、一つ一つ異なる絵が描かれています。アートに包まれた妙顯寺のライトアップを鑑賞してみませんか。

妙顯寺7
竹の坪庭には、鞠状になった竹細工の行灯が置かれている。
妙顯寺8
まるで青い川が流れているような、五色椿と松の庭のライトアップ。
妙顯寺9
四海唱導の庭もいつもと違った表情に。
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ライトアップされた光琳曲水の庭を円窓から眺める。
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行灯が並ぶ大本堂前の舞台。

基本情報

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。