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火除天満宮 - 火除け札

火難除けのご利益社寺めぐり

何もかも燃やし尽くしてしまう火災は、古くから人々の悩みの種となってきました。乾燥して火災の起きやすい冬に訪れたい、あまり知られていないながらもご利益抜群といわれる火難除けの社寺を紹介します。

応仁の乱で焼け残った千本釈迦堂

おかめさんの伝説で知られる西陣の千本釈迦堂(大報恩寺)は、応仁の乱や文明の乱で一帯が灰塵(かいじん)に帰した中、奇跡的に焼け残りました。このことから、火難除けの信仰を集めています。境内社の稲荷社は火防稲荷とも呼ばれ、火除けのご利益は京都一という説も。昭和26年(1951)から行われた本堂解体修理時に、本堂下で無数の狐の巣穴が発見され、神様のお使いの狐が火災から守ってくれていたのではという逸話もあるそうです。

千本釈迦堂1
国宝の本堂は、京都市最古の木造建築。
千本釈迦堂2
荼枳尼天(だきにてん)を祀る稲荷社。約800年前から鎮座しているそう。

お不動様の力で火難から身を守る

東福寺塔頭の同聚院は、藤原道長が建立した五大堂の跡地に建つ寺院。五大堂が焼失した時に、唯一焼け残った不動明王を安置しています。この不動明王は「じゅうまん不動さん」と呼ばれ、災厄除け、特に火難除けのご利益が抜群といわれています。2月2日に授与される屋守護(やさご)のお札を家の玄関に貼れば、火災から逃れられるとして信仰を集めてきました。

同聚院1
じゅうまん不動明王のじゅうまんは、土と力(土地の守護)、もしくは十と万(十万の眷属〈けんぞく〉を従える)を合わせた字。
同聚院 - お札
屋守護のお札は、現在では節分に限らずいつでもいただける。
商品名:「屋守護」1000円
同聚院 - 御朱印
同聚院の御朱印は、ご本尊の御朱印以外、それぞれ文章になっている。これは「為土力 立處皆真(どりきとなせば りっしょみなしんなり)」と書かれていて、火難・災難除けや商売繁盛を意味する言葉だそう。
商品名:「御朱印」300円

繁華街に佇む火除けの天神様

四条寺町を南へ下がってすぐの左手、建物横の細い参道の奥に、火除けのご利益で知られる天神様が鎮座しています。その名もずばり火除天満宮は、天正7年(1579)創建。後に織田信長親子を弔うために建立された大雲院の鎮守社となり、現在地へは慶長2年(1597)に遷座しました。蛤御門の変の兵火で広範囲の大火災が起こった時に、火除天満宮の一帯は類焼を免れた事から、火除けの信仰をますます集めたとされています。

火除天満宮1
火除けの神様として信仰されている火除天満宮。
火除天満宮2
本殿正面の石鳥居は天保6年(1835)建立。
火除天満宮 - 火除け札
火除けのお札やお守り、御朱印等は、斜め向かいの岡本鏡店でいただける。
商品名:「火除け札」500円

基本情報

  • 寺社名
    千本釈迦堂
    住所
    京都市上京区七本松通今出川上ル
    電話番号
    075-461-5973
    URL
    http://www.daihoonji.com/
  • 寺社名
    同聚院
    住所
    京都市東山区本町15丁目799
    電話番号
    075-561-8821
  • 寺社名
    火除天満宮
    住所
    京都市下京区寺町通四条下ル

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。