後白河法皇の御所旧跡である法住寺の節分会「開運・厄除け 星まつり採燈大護摩供」が2月3日に行われました。3色の鬼や天狗、山伏が登場する節分会の様子をリポートします。
法住寺の節分会
法住寺は、永祚(えいそ)元年(989)、藤原為光が娘の死後に邸宅を寺としたのが起こりです。後にこの地に、後白河法皇が院御所として法住寺殿を造営。この法住寺殿の跡地に建つのが、現在の法住寺です。2月3日には天狗や鬼が登場する節分会が行われ、例年多くの参拝者が訪れます。
山伏が率いる鬼の列
法住寺の節分会では、大まかに分けて四つの行事が行われます。まずは、山伏を先頭に天狗や鬼が練り歩き、近隣の店舗等の厄除けをして回ります。3色の鬼が斧や剣を振り回した後、住職と山伏が読経し、天狗が大幣を振って厄除けを祈願。2時間近くかけて、一帯を練り歩きました。
舞妓さんによる餅丸め
厄払いの一行が寺へ戻ったら、次は餅つきが行われます。数年前までは島原の大夫が餅を丸めていましたが、近年は先斗町の舞妓さんがその役を担っています。参拝者も参加して石うすで餅をつき、舞妓さんが一口大に丸めました。丸めた小餅はぜんざいに入れ、参拝者に振る舞われました。
鬼法楽と豆まき
餅つきに続いて、天狗加持と鬼法楽を勤修(ごんしゅ)。人間の煩悩を表す赤(貪〈とん〉=欲深さ)、黒(瞋〈しん〉=怒り)、青(痴〈ち〉=愚かさ)の鬼が、太鼓の拍子に合わせて護摩壇の周りを練り歩きました。鬼法楽に登場した鬼たちは、豆をまかれて退散。その後、参拝者向けに福豆や福餅がまかれました。
開運と厄除けを祈る採燈大護摩供
節分会の最後を飾るのは、奉納された護摩木を焚き上げる採燈大護摩供(さいとうおおごまく)。法弓で場内に結界が張られた後、護摩壇に点火されると、猛烈な勢いで煙が天高くのぼりました。採燈大護摩供が奉修されている間、境内では天狗が笹酒を接待。健康長寿を祈願するありがたい笹酒を求めて、参拝者が列をなしました。