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天神さんの七不思議EC

探してみよう天神さんの七不思議

学問の神様として広く親しまれている北野天満宮には、古くから伝わる七不思議があります。ちょうど見頃を迎えるもみじ苑とともに、七つの不思議も巡ってみましょう。

初雪が降れば道真公が顕れる!?

今出川通に面した一ノ鳥居をくぐってすぐ右手に、玉垣に囲まれた立派な松の木があります。影向松(ようごうのまつ)と呼ばれるこの御神木には、とても不思議な言い伝えが。立冬から立春前日の間に初雪が降ると、道真公が降臨されて雪を愛で、詩を詠まれるそうです。

天神さんの七不思議1
初雪が降った日には、影向松に筆・硯・墨を捧げる初雪祭が行われる。
参道の先に本殿がない、筋違いの本殿

一ノ鳥居から参道を歩き、楼門をくぐると、本殿は少し先の左手に。楼門の先には違うお社が鎮座しています。このお社は、北野天満宮が創建される以前から祀られていた地主神社です。道真公を祀るときに地主神社の正面を避けて本殿を建てたため、左にそれているのです。

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朱塗りの社殿が美しい地主神社。
三光門なのに、光が三つないのは何故?

本殿前の中門は「星欠けの三光門」と呼ばれています。三光とは太陽・月・星のことですが、この門に掲げられているのは太陽と月の彫刻のみ。それは、平安時代に帝が御所から北野天満宮に祈りを捧げた際に、この中門の上に北極星が輝いていたからだと言われています。

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太陽の彫刻。
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月の彫刻。
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きらびやかな装飾が見事な三光門。
北野天満宮で唯一の立ち牛

北野天満宮には数多くの神牛の像(撫で牛)が安置され、参拝者が願いを込めて撫でている姿をよく見かけます。これらは、すべて座った姿。これは、道真公の遺体を乗せた車をひいた牛が、途中で座り込んで動かなくなったことに由来します。ところが拝殿の欄間にだけ、なぜか立ち上がった牛が刻まれています。

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参拝時に見上げれば、欄間に刻まれた立ち牛が目に入る。
本殿の裏側にもお社がある

北野天満宮の本殿は、南に向いて道真公が祀られています。その本殿の裏手にも、北に向いて御后三柱という御神座があります。天穂日命、菅原清公、菅原是善の三柱を祀る社で、北野天満宮の参拝は、この裏の社も併せてお参りするのが昔からの習わしだそうです。

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静謐な空気が漂う裏の社。
灯籠の大黒様で運試し

三光門の南東に並ぶ石灯籠のうち、一基の台座部分に大黒天が刻まれています。この大黒様の大きな口に小石を乗せられるかどうか運試し。うまく乗せられた小石を財布に入れると、お金に困らないという言い伝えがあります。今では「落ちない石」として受験生にも人気だそうです。

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つるつるの口に小石を乗せるのは案外難しいが、乗ったときの喜びはひとしお。
北野天満宮の乾(北西)を護る天狗山

境内北西に連なる朱塗りの鳥居の奥に、一願成就のお牛さまと呼ばれる小さな石像が祀られています。このお社の奥にある小高い丘が天狗山。その昔には天狗が棲んでいたのかもしれません。都の守護を司る乾に祀られた北野天満宮の、さらに乾を護っている神聖な山です。

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一願成就のお牛さまは、とても御利益のある神牛で、撫でられすぎて元の顔が分からないほど。いつも参拝者が列をなしている。
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天狗山の辺りは御土居の一部。もみじ苑の展望所からは、八棟造の本殿が見下ろせる。御土居の紅葉は12月1週目まで公開予定。

基本情報

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。