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禅-ZEN- のこころにふれる

京都は禅宗の一派である臨済宗・黄檗宗15派の本山寺院のうち8寺院が在るいわば聖地。

臨済宗・黄檗宗の源流に位置する高僧である臨済義玄(りんざいぎげん)禅師の1150年遠諱と臨済宗の中核の祖という白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師の250年遠諱の今年、禅にまつわる催しや特別拝観などが行われています。

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坐禅、茶道、精進料理……すべて禅に由来

禅宗は約1500年前に菩提達磨によってインドから中国へ伝えられたといわれ、日本では鎌倉時代にその一派である臨済宗・黄檗宗が臨済義玄によって広められました。

あまり馴染がないように思える禅宗ですが、修業のイメージがある坐禅だけでなく、茶道、華道、お能、狂言などの伝統文化、そして和食の祖ともいわれる精進料理はすべて禅に由来、影響を受けているもの。このように聞くと禅は京都だけでなく私たちと密接に関わっています。

座禅

 
臨済宗・黄檗宗15本山寺院のうち京都市内には臨済宗の7か寺、宇治市に黄檗宗の萬福寺が在ります。いずれも観光客に広く知られているお寺ばかりです。

  • 祇園にある京都最古の禅寺「東山 建仁寺」
  • もみじの名所として名高い「慧日山 東福寺」
  • 義満によって最高の格式を与えられた「瑞龍山 南禅寺」
  • 利休ゆかりの「龍宝山 大徳寺」
  • 日本最大の禅寺「正法山 妙心寺」
  • 嵐山にある世界遺産「霊亀山 天龍寺」
  • 金閣寺・銀閣寺を境外塔頭に持つ「万年山 相国寺」
  • 普茶料理で知られる「黄檗山 萬福寺」
特別展覧会「禅 -心をかたちに-」が開催中

京都国立博物館では、特別展覧会「禅 -心をかたちに-」が始まりました。臨済義玄1150年、白隠慧鶴250年遠諱を記念して行われているもので、禅宗、禅宗美術の総合展覧会です。会期中で展示替えされますが、全部で224件、うち国宝19件、重要文化財104件と過去最大級の規模。15本山の開山が一堂に会し、さらに全国に6000を超える臨済宗・黄檗宗の寺院からも寺宝が集められています。

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達磨像 白隠慧鶴筆
達磨像 白隠慧鶴筆 
江戸時代(18世紀) 大分・萬壽寺(4月12日~5月1日展示)

禅の成り立ちや国内での広がり、奥深さが伝わる展示で、禅宗に影響を受けた戦国武将たちの肖像画や坐像も展示されています。

織田信長像(全図)
織田信長像 狩野永徳筆 
安土桃山時代 天正12年(1584)京都・大徳寺(4月26日~5月22日展示)

禅の思想は書画や工芸品にも広がりをみせ、日本文化へも多大な影響を与えました。狩野派、若冲といった展覧会でよく目にする絵師の作品もあり、一つひとつの作品に禅の多様性が感じられます。本展は10月には東京国立博物館でも開催されますが、5月22日(日)までの京都展のみの展示も多数あるので見逃せません。

重文-竹図襖
重要文化財 鹿苑寺大書院障壁画のうち竹図 伊藤若冲筆
江戸時代 宝暦9年(1759) 京都・鹿苑寺(通期展示)※京都展のみ出品
禅を感じるイベントにも注目

期間中は週末やゴールデンウィークを中心にイベントが目白押し。お茶会や狂言、坐禅会、講話など禅にまつわる趣向を凝らしたイベントは興味深く、禅の世界が垣間見られます。

  • 講演会「禅と水墨画 雪舟と白隠を中心として」 4月24日(日)13:30~
  • 「四頭茶会-禅院の茶礼」 5月3日(火・祝)13:30~
  • 狂言「にせ地蔵」「でんでん虫」 5月15日(日)11:00~「にせ地蔵」/14:00~「でんでん虫」 ほか

見て、聞いて、感じられる禅のイベントは、ほかにもいろいろ開催されています。お出かけの際は事前に公式サイトをチェックしてみてください。

そして、展覧会グッズコーナーも忘れず覗いてください。限定品の充実ぶりが目を見張るなか、注目したのは香老舗「松栄堂」のお香。禅の世界に描かれる自然の情景を2つの香りに託しているそうで、2種類のお香と香立てが入っています。お香のパッケージは、妙心寺塔頭 退蔵院の国宝 瓢鮎図(部分)!

禅-ZEN-【禅 心のかおり】
【禅 心のかおり】750円
(国宝/瓢鮎図(部分)/大岳周崇等三十一僧賛 大巧如拙筆/室町時代(15世紀)/京都・退蔵院

 
本物はこちら。
鑑賞した後におみやげを買いたいですね。

国宝-瓢鮎図(全図)
国宝 瓢鮎図 大岳周崇等三十一僧賛 大巧如拙筆
室町時代(15世紀) 京都・退蔵院 (4月12日~5月1日展示)
京都の禅寺で寺宝を観るチャンス

特別展覧会「禅 -心をかたちに-」と時を同じくして、京都市内を中心に本山寺院、臨済宗・黄檗宗寺院88か寺で通常非公開の伽藍や寺宝の特別公開、坐禅会、写経体験、法話など「京都の禅寺一斉拝観」が行われています。

本山寺院のひとつ、東福寺では堂本印象の天井画「蒼龍図」が残る法堂、現存する最古の禅堂(重要文化財)が特別拝観できるほか、東福寺塔頭 勝林寺でも毘沙門天が特別拝観できるなど、今しかお目にかかれない寺宝に出合えます。市内であれば展覧会とセットでめぐって、お昼に精進料理をいただくと、禅のこころが感じられそうです。

「京都の禅寺一斉拝観」の詳細はキャンペーンの公式サイトをチェックしてくださいね。

臨済義玄禅師1150年・白隠慧鶴禅師250年遠諱記念
『禅 -心をかたちに-』
期間 4月12日(火)~5月22日(日)※月曜日休
会期中展示替えあり
時間 9:30~18:00(金曜日は~20:00)※入館は閉館30分前まで
会場 京都国立博物館 平成知新館(京都市東山区茶屋町527)
料金 一般 1500円・大学生 1200円・高校生 900円※中学生以下は無料(要証明)
電話 075-525-2473(テレホンサービス)
公式サイト 「禅 -心をかたちに-」
平成28年 京都の禅寺一斉拝観
期間 4月12日(火)~5月22日(日)
電話 075-752-7070(京都市観光協会)
公式サイト 「平成28年 春の京都禅寺一斉拝観」

この記事を書いた人

麦子
お酒と魚(肴)を愛する大阪人。「混ぜるなキケン」のルールのもと、ビール、ワイン、日本酒から2種までならちゃんぽん可。おいしいもの、うつわを求めて週末弾丸トリップも。マイブームは北陸と松山。