6月4日から10日は歯と口の健康週間。虫歯や歯周病の痛みはつらいもの。そんな時は神様仏様に歯痛平癒をお願いしてみてはいかがでしょうか。
日本全国に名が響き渡るお地蔵様
京都で歯の御利益といえば、伏見稲荷大社近くのぬりこべ地蔵が有名。全国から歯痛に悩む参拝者が訪れる、人気のお地蔵様です。変わったその名は、お地蔵様が塗り込めた土塀のお堂に祀られていたことに由来するそう。歯痛を塗り込める(封じ込める)として信仰を集めています。
身代わりになって歯形のついたお地蔵様
その昔、若い女性と相合い傘で歩く夫を見て、浮気を疑い妻が逆上。夫は慌ててお地蔵様の後ろに隠れ、妻はそのお地蔵様に噛み付きました。身代わりになったお地蔵様には歯形が残ったそうです。そこから歯痛を身代わりしてくれるお地蔵様と拝まれるようになりました。
雌雄の夜叉神に祈れば歯痛も快癒
東寺の食堂の南側、拝観受付と売店の横に、小さなお堂が二つひっそりと並んでいます。東側に文殊菩薩を本地とする雄夜叉、西側に虚空蔵菩薩を本地とする雌夜叉を祀る、夜叉神堂です。仏法守護の神様ですが、歯痛を治すご利益があるとして親しまれています。
北野天満宮に祀られる寛算社は歯の神様
北野天満宮の本殿北側、老松社の西にずらりと並ぶ摂社の右端に、寛算入寺を祭神とする寛算社があります。歯痛平癒の神様として祀られている寛算入寺は平安期の僧侶とされていて、菅原道真が雷となって清涼殿に落ちたとき、ともに雷として落ちたという伝説があります。
後桜町天皇の歯痛を治した神様
江戸中期、後桜町天皇が歯痛で悩んでいた時に、女官が白山神社から持ち帰った神箸と神塩を歯につけたところ、たちまち歯痛は治ったといいます。そこから、白山神社には歯痛平癒のご利益があるとされました。歯医者さんも歯痛平癒を祈ってお参りするそうです。
歯痛から救ってくれる薬師如来
壬生寺の阿弥陀堂に、京都十二薬師霊場第4番札所の薬師如来像が祀られています。この薬師如来様、「は、は、は」と笑っているように見えることから、歯薬師と呼ばれるようになったとか。平安期に作られた由緒ある薬師如来像は、歯の病に霊験あらたかだそうです。