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大原の赤しそEC

赤しそが旬を迎えた大原の里を散策

三千院や寂光院で知られる大原で、赤しその収穫がピークを迎えています。大原の赤しそは原品種に近く、香りが良く色も鮮やか。赤しそ畑が広がる大原の里を散策してみましょう。

最高級品の誉れ高い大原の赤しそ

大原の名産と言えば、しば漬けに欠かせない赤しそ。その昔、大原の里人が赤しそと夏野菜の漬け物を建礼門院に献上したところ、建礼門院は大いに気に入り「紫葉漬」と名付けたと言われています。何百年もの間、大原の里で栽培されてきた赤しそは、香り・発色ともに最高級品とされています。

 

大原の赤しそ1
夏になると色鮮やかな赤しそ畑が広がる大原。7月1日から31日までを赤しそ開きとし、赤しその即売や、しそ摘み体験、赤しそを使った特別メニュー販売などのイベントを行っている。

大原の赤しそ - 記念碑
寂光院の門前には、しば漬けや大原女の由来が刻まれた記念碑が建っている。大原女の装束は、建礼門院の侍女・阿波内侍の姿を里人が真似たのだという。
大原の赤しそ2
農産物を販売する里の駅大原では、新鮮な赤しそのほか、自家製のしば漬け、しそジュースなど、赤しそを使った加工品が手に入る。
山深い隠れ里の趣を味わう

平安前期の惟喬親王が出家し隠棲して以来、隠れ里として知られてきた大原。平安末期には、平清盛の娘・建礼門院徳子が、一族の菩提を弔って寂光院で余生を送りました。山間の静かな里でひっそりと生きた貴人たちは、大原の豊かな自然に心癒やされたことでしょう。

寂光院
建礼門院徳子が余生を過ごした寂光院。聖徳太子が創建した歴史ある古寺だ。後白河法皇が、一門の冥福を祈る日々を送る建礼門院を訪ねる「大原御幸」の舞台になった。平成12年に本堂が焼失し、本尊の地蔵菩薩像も焼けてしまったが、胎内仏は無事で、宝物殿で拝観できる。
惟喬親王の墓
惟喬親王は文徳天皇の長子として生まれながら、皇位継承争いに敗れた悲運の皇子。在原業平と親交があり、大原に隠棲した親王を訪ねた業平が「忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪ふみわけて君を見むとは」と詠んだ歌は有名。山際にひっそりと親王の陵がある。
大原の隠れた名所を訪ね歩く

比叡山の麓に位置する大原は、天台声明の響く信仰の地としての歴史を歩んできました。現在では三千院の御懺法講で往時の様子をうかがい知ることができます。麓を離れると、一面の田園風景。古き良き時代の面影を色濃く残す大原の里をゆっくり歩いて、歴史に思いを馳せてみませんか。

音無の滝
三千院に参拝したら、足を伸ばして音無の滝に訪れたい。天台声明の中興の祖・良忍上人が声明を唱えると、その音律と滝の水音が同調し、音が消えたという。夏でも涼しく、水の流れ落ちる音が耳に心地いい。
出世稲荷神社
この名称にピンと来た人は京都通。千本旧二条から遷座した出世稲荷神社が三千院の近くにある。石碑や鳥居など、かつて千本通に建っていたものがそのまま使われている。尾上松之助寄進の鳥居や、新門辰五郎寄進の狛犬も必見。
井出の町並み
川の氾濫に備えて作られたという古くからの石垣が残る井出地区。屋根に煙出しを備える立派な家屋が多く残る、歴史を感じさせる町並みだ。
乙が森
大原に伝わる、大蛇になった娘「おつう」の悲しい物語。乙が森には、退治された大蛇の頭が埋められたという。龍王大明神の石碑が祀られ、毎年法要が行われている。

基本情報

  • 寺社名
    寂光院
    住所
    京都市左京区大原草生町676
    電話番号
    075-744-3341
    URL
    http://www.jakkoin.jp/
  • 寺社名
    惟喬親王の墓
    住所
    京都市左京区大原上野町
  • 施設名
    音無の滝
    住所
    京都市左京区大原来迎院町
  • 寺社名
    出世稲荷神社
    住所
    京都市左京区大原来迎院町148
    電話番号
    075-744-4070
    URL
    http://syusseinari.or.jp/
  • 施設名
    井出の町並み
    住所
    京都市左京区大原井出町
  • 寺社名
    乙が森
    住所
    京都市左京区大原草生町
  • 施設名
    里の駅 大原
    住所
    京都市左京区大原野村町1012
    電話番号
    075-744-4321
    URL
    http://www.satonoeki-ohara.com/

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。