三千院や寂光院で知られる大原で、赤しその収穫がピークを迎えています。大原の赤しそは原品種に近く、香りが良く色も鮮やか。赤しそ畑が広がる大原の里を散策してみましょう。
最高級品の誉れ高い大原の赤しそ
大原の名産と言えば、しば漬けに欠かせない赤しそ。その昔、大原の里人が赤しそと夏野菜の漬け物を建礼門院に献上したところ、建礼門院は大いに気に入り「紫葉漬」と名付けたと言われています。何百年もの間、大原の里で栽培されてきた赤しそは、香り・発色ともに最高級品とされています。
山深い隠れ里の趣を味わう
平安前期の惟喬親王が出家し隠棲して以来、隠れ里として知られてきた大原。平安末期には、平清盛の娘・建礼門院徳子が、一族の菩提を弔って寂光院で余生を送りました。山間の静かな里でひっそりと生きた貴人たちは、大原の豊かな自然に心癒やされたことでしょう。
大原の隠れた名所を訪ね歩く
比叡山の麓に位置する大原は、天台声明の響く信仰の地としての歴史を歩んできました。現在では三千院の御懺法講で往時の様子をうかがい知ることができます。麓を離れると、一面の田園風景。古き良き時代の面影を色濃く残す大原の里をゆっくり歩いて、歴史に思いを馳せてみませんか。