昔から冬至の日にかぼちゃを食べると、厄除けや無病息災のご利益があるといわれています。2018年12月22日(土)~24日(月)に大原の寂光院で行われた、「ほっこりかぼちゃ焚き」を紹介します。
大原の山間に佇む由緒あるお寺
寂光院は、594年に聖徳太子によって建立されました。その後1185年には、平清盛の息女で高倉天皇の皇后にあたる建礼門院徳子が入寺。源平合戦に敗れ滅亡した平家一門と、自身の子の安徳天皇の菩提を弔いながら過ごしていたと伝えられています。
寂光院へはバス停「大原」から歩いて15分ほど。現在は天台宗の尼寺で、大原の美しい四季を感じられるスポットとして多くの人が訪れています。



冬の風物詩のかぼちゃ焚き
茶屋や土産物屋が並ぶ参道を進むと、「ほっこりかぼちゃ焚き」ののぼりが見えてきました。長い石段の先にある本堂は、2000年に不慮の火災で焼失し再建されたもの。5年の歳月をかけて、以前と変わらない姿を取り戻しました。その手前には平家物語にも登場する汀(みぎわ)の池が広がり、御神木の千年姫小松が祀られています。
かぼちゃ焚きは、毎年、冬至を含む3日間で行われる恒例行事。境内は今年も美味しそうなかぼちゃの匂いに包まれていました。


大原のかぼちゃを味わう
初日の午前9時頃、炊きあがったばかりのかぼちゃが本堂に運ばれてきました。まず法要が執り行われ、本尊にお供えされます。それを終えると、客殿で参拝者にかぼちゃが振る舞われました。
寂光院では地元大原産のかぼちゃを使い、お醤油は使わず甘く炊き上げています。運んでくれるのは、大原女姿の女性たち。かぼちゃは箸がすっと入るほど柔らかく、ほくほくとしていました。
冬至にかぼちゃを食べる風習が始まったのは、江戸時代のこと。無病息災のご利益があり、また「ん」のつく食べ物を食べると運が付くことから、かぼちゃ(南瓜:なんきん)が食べられるようになりました。
旬の栄養たっぷりのかぼちゃで、冬を元気に乗り切れそうです。



