誰もが知るといえるほどの古典文学、『源氏物語』。そのクライマックス、「橋姫」から「夢浮橋」までの十帖は、宇治を舞台としていることから「宇治十帖」と呼ばれ親しまれています。最近では、同じく宇治と関わりの深いアニメ「響け!ユーフォニアム」が大人気となり、一層の注目を浴びる宇治。今回はその見どころを一部、お届けします。
京都市内とはまた違う、ゆったりとした空気
京都市内から電車で約40分。駅を降りると、そこはもう宇治十帖の世界です。水量が豊かな一級河川・宇治川は、鵜飼でも有名。茶壺の形をしたポストなど、ユニークなアイテムが目を引きます。
ぜひ晴れの日を狙いたい、平等院の鳳凰堂
見どころたくさんの宇治ですが、やはり何としても押さえておきたいのは、世界遺産・平等院。中でも、10円玉の絵柄にもなっている鳳凰堂はさすがの迫力です。2年前に修復が終わった鳳凰堂は、当時と同じ塗料を使うことで平安時代の色彩を完全に再現。内部の拝観は別料金ですが、1000年の歴史を間近で体感できる機会はそう多くないはず。ガイドさんの充実した解説つきなので、隅々まで理解することができます。
環境省セレクト、「かおり風景100選」にも選ばれた表参道
平等院の表参道は、環境省の「かおり風景100選」にも選ばれた道。美味しそうなお店が両側に立ち並び、どこからともなく宇治茶の香りが漂ってくる石畳の道は、歩いているだけでほっこりしてしまいます。食べ歩きグルメも豊富なので、ゆっくり散策しながらおなかを満たすのもおすすめです。
日本最古の神社、宇治上神社
そして、もう一つの世界遺産が宇治上神社。現存する神社建築の中では最古のもので、本殿が建てられたのはなんと1000年前ごろだとか。本殿と拝殿のみというシンプルな神社ですが、平安時代や鎌倉時代の建築を研究する上では、非常に貴重な存在だといいます。多くの人で賑わう平等院に比べて、こちらは比較的静かな雰囲気。落ち着いてお参りすることができそうです。ときには市内の喧騒を離れ、時間を忘れてゆっくり外を歩いてみるのはいかがでしょうか。
番外編:その名も「茶源郷」、茶畑が美しい和束(わづか)
宇治市から車で30分ほどいくと、「宇治茶の郷」として有名な和束(わづか)へ行くことができます。一般的な京都のイメージとは少し違った風景は、海外のフォトグラファーにも人気なのだとか。ドライブついでに、こちらにもぜひ立ち寄ってみてください。